SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)

「体の不調を調べたら、自律神経の乱れが原因かもしれない」
「めまいや動悸がして、不安感が消えない」
こうした原因のはっきりしない不調は、自律神経の乱れが原因かもしれません。こうしたさまざまな不調を起こす自律神経の乱れ(自律神経失調症)には、体質ごとのバランスを整える「漢方薬」が役立つ場合があります。
しかし、漢方薬は一般的な薬と異なり、症状に加えて体質なども加味して選ぶことが重要です。種類も多岐にわたるため、自身に適した漢方薬を見つけましょう。
この記事では、自律神経失調症のメカニズムや、漢方医学的な視点での捉え方について解説します。また、症状や体質(証)に合った漢方薬の選び方についても紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

人の体は、意識しなくても心臓が動き、呼吸をし、食べたものを消化できます。これらをコントロールしているのが「自律神経」です。
自律神経は、体を活動モードにする「交感神経」と、リラックスモードにする「副交感神経」の2つから成り立っています。これらが車でいうアクセルとブレーキのようにバランスを取り合いながら、24時間休まずに体全体の機能を調整しています。
しかし、過度なストレスや不規則な生活習慣などが続くと、このアクセルとブレーキの切り替えがうまくいかなくなります。交感神経が働きっぱなしになったり、逆に副交感神経がうまく働かなかったりと、バランスが崩れてしまうのです。
その結果、体全体の調整機能に不調が生じ、さまざまな症状が現れます。検査で原因となる病気が見つからない場合に、自律神経失調症と診断されることがあります。
自律神経は全身の器官に関わっているため、その症状は人によって異なり、多岐にわたるのが特徴です。
体に出る症状
めまい、頭痛、動悸、息切れ、倦怠感(だるさ)、冷え、のぼせ、発汗、便秘、下痢、胃痛など
精神に出る症状
不安感、イライラ、情緒不安定、不眠、集中力の低下、やる気が出ない、記憶力の低下など
このように、身体的な不調だけでなく、イライラや不安感を感じるなど精神的な不調も現れることがあります。
東洋医学(漢方)では、心身の不調を「気(き)・血(けつ)・水(すい)」のバランスの乱れとして捉えます。
これら3つの要素が体内をスムーズに巡っている状態が「健康」であり、どれか一つでも不足したり、滞ったりすると不調が現れると考えます。
特に自律神経失調症は、ストレスによって「気」の巡りが悪くなる「気滞(きたい)」や、気が不足する「気虚(ききょ)」が根本原因となっているケースが多く見られます。
参考:
https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1591/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/132/5/132_5_260/_pdf
https://www.taisho-kenko.com/disease/638/#02

自律神経の乱れによる不調に対し、漢方薬は心と体の両面からアプローチしてバランスを整えます。西洋医学とは異なる漢方独自の視点や、治療の基本となる「証(しょう)」の考え方について見ていきましょう。
西洋医学における自律神経失調症の治療は、主に「対症療法」です。
頭痛には痛み止め、不眠には睡眠導入剤、不安には抗不安薬といったように、今ある症状を抑える薬が処方されます。即効性はありますが、根本的な原因である自律神経のバランスまでは整えられないこともあります。
一方、漢方薬治療は不調の元となる原因に対して、全身からアプローチします。
「なぜこのような不調が起きているのか?」を、その人の体質や気・血・水のバランスから紐解き、乱れを整えることで症状が出にくい体へと改善していきます。そのため、ひとつの漢方薬で「頭痛」「不安感」「冷え」など複数の症状に同時にアプローチできるのが大きな特徴です。
長期的に服用することで、心身のバランスを整え、ストレスに負けにくい状態を目指すのに向いています。
漢方薬を選ぶ上で最も重要なのが「証(しょう)」という概念です。ここでいう証とは、その人の体質、体力、抵抗力、病気の進行度合いなどを総合的に判断した「現在の体の状態」のことです。
同じ「めまい」という症状でも、体力がある人とない人、冷えている人と熱がこもっている人では、処方される漢方薬(証)が全く異なります。
この証を見極めるために、漢方医学では「四診(ししん)」と呼ばれる独自の診察方法が行われます。
漢方では、レントゲンや血液検査といった西洋医学的な検査数値だけでなく、こうした「患者さんが発するサイン」を重視します。
漢方医学における証の診断では、大きく分けて「虚証(きょしょう)」と「実証(じっしょう)」という体力の目安が使われます。
これに加えて、「気・血・水」がどのように乱れているかを組み合わせます。
例えば、「気が滞っている(気滞)」ためにイライラするのか、「血が滞っている(血瘀)」ために肩こりがするのか、「水が溜まっている(水滞)」ためにめまいがするのか、といった分析を行い、最適な漢方薬が選定されるのです。
参考:
https://www.459.ac.jp/heal/15904/
https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/kanpou/kampo/diagnosis.html
https://www.tsumura.co.jp/kampo/features/find/

自律神経の不調を改善するためには、自身の症状と体質(証)に適した漢方薬を選ぶことが何より大切です。本章では、よく処方される代表的な漢方薬を、主な症状の傾向と体質のタイプ別に分類して解説します。
精神的な症状が強く出ている場合は、「気」の巡りを改善する漢方薬が中心となります。
「気」が喉や胸のあたりで滞り、塞がっている状態を改善します。
気分がふさぎ込んでやる気が出ない、喉に何かが詰まったような異物感がある、動悸やめまいがして不安になるといった症状に適しています。体力は中程度の方に向いています。
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「血」不足により「気」が余って熱を持ち、イライラとして現れている状態を鎮めます。
体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安や苛立ちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある方に適しています。のぼせや発汗などのホットフラッシュ、月経不順、更年期障害に伴う精神症状(血の道症)にもよく用いられます。
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「気」の巡りを良くして、こもった熱を冷ますとともに、高ぶった神経を鎮める「竜骨」と「牡蛎」が配合されています。
比較的体力があり、体格がしっかりしている方(実証タイプ)で、ストレスによってイライラする、動悸がする、不眠(寝つきが悪い)といった症状がある場合に適しています。
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身体的な症状、特に疲れやふらつきが目立つ場合は、エネルギーを補ったり、余分な水を排出したりする漢方薬が選ばれます。
胃腸の働きを高めて、不足している「気(エネルギー)」を補います。
消化機能が衰えて食欲がなく、手足がだるくて動くのが億劫、日中に眠気があるといった、著しい体力低下(虚証)が見られる方に適しています。元気を底上げすることで、自律神経の乱れに伴うだるさなどの改善が期待できます。
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不足した「血」を補い、滞った「水」を排出して巡りを良くします。
体力がなく、色白で冷え症、貧血気味の方に適しています。自律神経の乱れによる回転性のめまいや立ちくらみ、頭重感、むくみ、肩こり、腰痛などがある場合によく用いられます。
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漢方薬選びで迷った際は、ご自身の「体力」と「症状の現れ方」を目安にしてみてください。
| 証のタイプ | 特徴 | 漢方薬の例 |
| 虚証 | 冷え、極度の疲れ、胃腸虚弱が目立つ | ・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) ・補中益気湯(ほちゅうえっきとう) |
| 中間〜やや虚証 | 体質虚弱で、イライラや不安など精神症状がある | ・加味逍遙散(かみしょうようさん) ・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう) |
| 実証 | 体力があり、ストレスによるイライラや不眠が強い | ・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) |
ただし、これらはあくまで目安です。「証」の見極めは専門的な知識が必要であり、自己判断で間違った漢方薬を選ぶと効果が出なかったり、副作用が出やすくなったりすることもあります。
そのため、医師の診察を受けて適切な漢方を選んでもらうことをおすすめします。

漢方薬は自然由来の生薬で作られていますが、副作用がないわけではありません。体質に合わないものを服用し続けたり、飲み合わせが悪かったりすると、思わぬ不調を招くことがあります。特に注意すべき点を確認しておきましょう。
重大な副作用の一つとして『間質性肺炎』が知られています。柴胡加竜骨牡蛎湯など、「柴胡(さいこ)」や「黄芩(オウゴン)」を含む漢方薬を服用した際に、ごく稀に空咳や息切れ、発熱などの症状が現れることがあります。
また、「甘草(カンゾウ)」という生薬は多くの漢方薬に含まれていますが、過剰に摂取すると「偽アルドステロン症」を引き起こすことがあります。手足のむくみ、血圧上昇、筋肉の脱力感などが主な症状です。その他、肝機能障害などが報告されるケースもあります。
漢方薬の効果を最大限に引き出し、安全に服用するためには、医師の診察を受けて適切な「証」を診断してもらうことが大切です。
参考:
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/dl/s1019-4d9.pdf
https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/disease33.html
https://medical.tsumura.co.jp/products/024/pdf/024-tenbun.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/61/6/61_6_828/_pdf/-char/ja

漢方薬は心身のバランスを整えるサポートをしてくれますが、生活習慣を見直すことでより高い効果が期待できます。下記のように生活習慣を見直し、自律神経を整えることを意識してみてください。
バランスの良い食事を心がけましょう。特に、神経の働きを助けるビタミンB群や、興奮を鎮めるカルシウム・マグネシウムなどのミネラル類を積極的に摂ることが大切です。
ウォーキングやストレッチなど、軽い有酸素運動を取り入れましょう。筋肉を動かすことで血流が良くなり、自律神経の機能が高まります。頑張りすぎず、心地よいと感じる程度で続けるのがコツです。
シャワーだけで済ませず、湯船に浸かりましょう。37〜39℃くらいのぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、副交感神経が優位になり、心身の緊張がほぐれます。熱すぎるお湯は交感神経を刺激してしまうため、寝る前は避けましょう。
質の良い睡眠は、自律神経を回復させるために不可欠です。就寝前のスマホ操作は控え、リラックスできる環境を整えて、十分な睡眠時間を確保しましょう。
参考:
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-008
http://pref.niigata.lg.jp/sec/uonuma_kenkou/1356756732281.html

自律神経のバランスを整える漢方薬は、体質改善を目指して継続的に服用することで効果を発揮するものが多く、医師に処方してもらう場合は定期的な診察が必要です。しかし、近くに医療機関がなかったり、忙しくて受診する時間が取りにくかったりする方もいらっしゃるでしょう。
オンライン診療サービス「med.」なら、オンラインで診察から処方まで完了するので、手間がかからず忙しい方にもおすすめです。
med.の特徴について詳しく解説します。
med.の利用の流れは、以下の通りです。
このように自宅ですべて完結できるため、移動する必要がなく、待ち時間も最小限にできます。また、人に見られる可能性もないため、プライバシーに関する心配もありません。
なお、お薬は決済完了後すぐにヤマト運輸で発送手続きが行われます。当日15時までに決済が完了している場合は即日発送、15時以降に決済した場合は翌日発送です。(※ご注文受付状況、天候や年末年始などの配達状況により遅れが生じる場合もございます)
med.では、診察料や処方料がかからず、薬代のみで処方薬を購入できます(※1万円以下の場合は送料がかかります)。また、通院する必要がないため、交通費も必要ありません。

med.は「SBC湘南美容クリニック」と提携しており、医師が診察し、最適な処方を提案してくれます。また、オンラインでは不安な場合や、医師が必要だと判断した場合は、対面診察も受けられます。
また、土日祝日も診察が受けられ、9時~23時まで受診できるため、忙しい方も無理なく診察を受けられます。

なお、med.では以下のように、自律神経を整える効果が期待できる漢方薬を複数取り揃えております。
また、症状に応じて西洋薬の提案も可能ですので、医師にご相談ください。
自律神経の乱れによる不調は、検査数値には現れにくく、周囲に理解されにくい辛さがあります。
漢方薬は、そんな「なんとなく不調」に対して、心と体の両面からアプローチできる有効な手段です。イライラには「加味逍遙散」、めまいや冷えには「当帰芍薬散」など、自分の体質(証)に合ったものを選ぶことで、辛い症状を和らげることができます。
ただし、漢方薬選びは「証」の見極めが重要です。間違った薬を選ぶと効果が出ないばかりか、体調を崩すこともあります。医師の診察を受け、あなたにぴったりの漢方薬を見つけて、健やかな毎日を取り戻しましょう。
SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)
治療等の内容/治療等の期間及び費用
・半夏厚朴湯を服用する神経性食 道狭窄症、不眠症治療薬です。(¥8,550〜)
・加味逍遙散を服用する冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症治療薬です。(¥8,550〜)
・柴胡加竜骨牡蛎湯を服用する不眠症治療薬です。(1週間 ¥1,995〜)
・補中益気湯を服用する夏やせ、病後の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、 脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随、多汗症治療薬です。(1か月 ¥11,970〜)
・当帰芍薬散を服用する貧血、倦怠感、更年期障害治療薬です。(1か月 ¥8,550〜)
副作用
・半夏厚朴湯の主な副作用として、発疹、発赤、かゆみ、体のだるさ(倦怠感)、肝機能異常(AST、ALT等の上昇)などが報告されています。
・加味逍遙散の主な副作用として、発疹、発赤、かゆみ、食欲不振、胃部不快感、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などが報告されています。
・柴胡加竜骨牡蛎湯の主な副作用として、発疹、発赤、蕁麻疹、かゆみ、胃部不快感などが報告されています。
・加味逍遙散の主な副作用として、発疹、発赤、かゆみ、食欲不振、胃部不快感、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などが報告されています。
・補中益気湯の主な副作用として、発疹、蕁麻疹、食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢などが報告されています。
・当帰芍薬散の主な副作用として、発疹、かゆみ、体がだるい、食欲不振、胃部不快感、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、肝機能異常(AST、ALT等の上昇)などが報告されています。
お問い合わせ先
お問い合わせはmed.カスタマーサポートまで。