SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)

「つい食べ過ぎてしまう」
「お腹は空いていないはずなのに、何かつまんでしまう」
このように、食欲が抑えられずお悩みの方もいらっしゃるでしょう。食欲のコントロールは意思が弱いことだけが原因とは限らず、ストレスやホルモンバランス、体質なども関係します。
漢方薬は、無理に食べたい気持ちを我慢するのではなく、体の内側からバランスを整え、自然と食欲が落ち着くように働きかける効果が期待できます。しかし、漢方薬には非常に多くの種類があり、その人の体質や状態に合っていないと、十分な効果が得られなかったり、副作用を起こしてしまうこともあります。
だからこそ、どのような漢方薬があり、それぞれどんな体質の人に向いているのかを正しく把握しておくことが大切です。
本記事では、食欲が止まらなくなるメカニズムや、漢方医学から見た原因、そしてタイプ別のおすすめ漢方薬について詳しく解説します。自分に合った方法で、無理のない食欲コントロールを目指しましょう。食欲がおさまらずお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。

食欲は、本来であれば脳の視床下部にある「摂食中枢(空腹を感じる)」と「満腹中枢(満腹を感じる)」によってコントロールされています。しかし、ストレスや睡眠不足が続くとこのバランスが崩れてしまうことがあります。
具体的には、満腹を知らせるホルモンである「レプチン」の効きが悪くなったり、食欲を増進させるホルモンである「グレリン」が増加したりすることが関与しています。精神を安定させる「セロトニン」が不足することも、食べ過ぎてしまう要因の一つです。
さらに女性の場合、生理前には黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響も加わります。プロゲステロンは血糖の変動や代謝に影響するため、体はエネルギーを補給しようとして、普段よりも食欲が増しやすい状態になるのです。生理前に食欲が増加してしまうことがあるのは、これが原因です。
さらに最近の研究では、空腹時に働く神経細胞(AgRPニューロンなど)が、味覚の感じ方や「食べると気持ちいい」と感じる脳の快楽(報酬系)回路にも影響していることがわかってきています。空腹や強いストレスを感じている状態ではこの回路が過敏になり、甘いものや脂っこいものなど、高カロリーで高糖質な食べ物ほど「おいしそう」「もっと食べたい」と感じるように脳が働いてしまうのです。
その結果、「お腹はそこまで空いていないのに、目の前にあると手が止まらない」「一口食べたら我慢できずに完食してしまう」といった状態が生まれやすくなります。
このように、食欲が止まらなくなる原因にはさまざまな要因があります。
漢方薬を用いたダイエットについては、下記記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
痩せる漢方はある?体質別の選び方・代表処方の比較・副作用までやさしく解説
参考:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/76/2/76_105/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpan/12/1/12_7/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashi/83/3/83_121/_pdf

漢方医学では、食欲のコントロール不良を、五臓(心・脾・肝・肺・腎)の働きの乱れや、体内における「熱」や「水」の異常が関係していると捉えます。主な原因として、5つのタイプに分けて見てみましょう。
胃熱は、脂っこい食事、辛いもの、アルコールの摂りすぎなどにより、胃の中に余分な「熱」がこもってしまっている状態です。
胃に熱があると、食べ物の消化・吸収のプロセスが異常に早まり、すぐに空腹感を感じてしまいます。冷たい水をガブガブと飲みたくなったり、口臭が気になったりすることがあります。また、便秘がちで暑がりな方によく見られるタイプです。
肝鬱気滞は、強いストレスや環境の変化に適応できず、情緒を安定させる「肝」の機能がスムーズに働いていない状態で、いわゆる「ストレス食い」を引き起こしやすいタイプです。
イライラや緊張が続くと発散のために過食に走りやすくなります。憂鬱感があったり、怒りっぽくなったりするほか、排便してもスッキリしないといった症状を伴うことがあります。
心血虚は、精神活動をつかさどる「心」を養う栄養である「血(心血)」が、過労や心労で不足している状態を指します。
様々なことを頭の中で考えすぎてしまい、その不安や疲れから食べ過ぎてしまうタイプです。寝付きが悪い、不安感が強い、疲れやすい、動悸がするといった症状が見られるのが特徴です。
脾気虚は、消化吸収をつかさどる「脾(胃腸)」の機能が弱く、生命エネルギーである「気」が不足している状態です。頭では「食べてはいけない」とわかっていても、一つのことを思い悩みすぎて食べるのがやめられないタイプです。
このタイプは、本来は食欲が落ちるはずですが、バランスが崩れて過食になることがあるとされています。元気がない、食後にお腹が張る(腹部膨満感)、軟便になりやすいといった症状が見られるのが特徴です。
痰飲は、水分代謝の失調により生じた、異常な水液(老廃物)である「痰飲」が、気の通り道を邪魔して流れを悪くしている状態です。飲食の不摂生やストレスが高じ、情緒のコントロールが困難になっているタイプに見られます。
暴飲暴食や運動不足によっても生じやすく、体液の代謝が低下しているため、むくみを伴うことが多いのが特徴です。
参考:
https://www.nihonisen.ac.jp/shinkyu/blog_beauty/?p=8494
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/di/column/koui/202011/567767.html
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/koui/201612/549271.html

食欲を抑える薬には、西洋薬と漢方薬がありますが、そのアプローチは大きく異なります。
西洋薬である食欲抑制剤(サノレックスなど)は、脳の食欲中枢に直接作用して食欲を減退させる薬です。効果は明確ですが、精神依存などの副作用リスクがあるため、使用できるのは高度肥満症の方に限られ、使用期間にも制限があります。
一方、漢方薬は、脳に直接作用するのではなく、「胃の熱を冷ます」「ストレスによる気の滞りを解消する」といったアプローチで改善を目指します。
漢方薬で食欲ケアを行うことには、いくつかのメリットがあります。
まず、食欲を落ち着かせるだけでなく、脂肪燃焼(代謝アップ)や便通改善も同時に期待できる処方が多い点です。余分なものを排出しながら代謝を高めることで、ダイエット効率を上げることができます。
また、一時的に食欲を止めるのではなく、体質に合わせ原因(ストレスや胃熱など)に働きかけるため、無理なく続けやすいという特徴があります。
ただし、漢方薬を飲んでいれば痩せられるわけではありません。あくまでも食欲を抑えたり脂肪を燃焼しやすくするサポート役であるため、ダイエットをしたい場合は食事管理や運動も行う必要があります。

では、食欲を抑える効果が期待できる代表的な漢方薬を紹介します。
肥満症の改善によく用いられる処方です。体を温めて熱を発散し、エネルギー消費を高めて脂肪の分解や燃焼を促します。
体力があり、お腹周りに皮下脂肪が多く、便秘がちで、高血圧に伴うのぼせや肩こりがある方に適しています。脂肪の代謝や排出を促すことで、肥満症の改善に用いられます。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)の購入はこちら
ストレスによる「気」の滞りを改善し、イライラからくる過食(ストレス食い)を抑えるとともに、肝の脂質の代謝を促す処方です。
代謝の低下を感じている方や、脂っこい食事を好む方にも適しており、脂質の代謝や便通を促すことで、余分な脂肪の蓄積を防ぐ効果が期待できます。これによって余分な脂肪を減らします。
また、ストレスなどで体内に停滞した「気」の流れを整えて余分な熱を取り除くため、体のだるさやイライラを改善する効果も期待できます。体力が充実しており、がっしりとした体格で、便秘気味、みぞおちや脇腹が張って苦しい方に適しています。
大柴胡湯(だいさいことう)の購入はこちら
胃の中に溜まった熱を冷まし、潤いを補うことで、異常な喉の渇きや亢進した食欲を落ち着かせる処方です。体力は中等度以上で、暑がりで汗をかきやすく、冷たい水を大量に飲みたがる方に適しています。
ただし、比較的体を冷やす作用があるため、長期的に用いる場合や冷え性の方は医師に相談しましょう。
血の巡りを改善し、のぼせや精神的な興奮を鎮めることで、生理前に起こりやすい食欲増進やイライラを緩和する処方です。体力があり、のぼせ気味で便秘がち、さらに生理痛が重い方に適しています
血行を良くしながら、溜まったものを排出するのを助けます。
滞った血を巡らせることで、ホルモンバランスの乱れによる食欲の波を整える働きが期待できる処方です。体力は中等度以上で、生理痛、肩こり、のぼせがあるものの足元は冷えるといった方に適しています。
便秘がない方でも使用できるため、生理前になると食欲が増してしまう方のケアとして使いやすい漢方薬です。
血の巡りを良くする「桂枝茯苓丸」に、肌トラブルを改善する生薬「薏苡仁(ヨクイニン)」をプラスした処方です。 生理前の肌荒れや、ニキビ、シミなども同時にケアしたい方におすすめです。 桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)の購入はこちら
参考:
https://medical.tsumura.co.jp/products/062/pdf/062-tenbun.pdf
https://medical.tsumura.co.jp/products/008/pdf/008-tenbun.pdf
https://medical.tsumura.co.jp/products/125/pdf/125-tenbun.pdf

漢方薬で内側からケアすると同時に、日々の生活習慣を少し工夫し、食欲のコントロールをよりスムーズにしましょう。では、具体的な生活習慣のポイントについて解説します。
「あれば食べてしまう」という方も多いのではないでしょうか。そのため、物理的に食べ物が目の前にない環境を作ることは非常に大切です。
料理は食べる分だけ作る、お菓子やインスタント食品などの買い置きは最小限にするなど、視界に食べ物が入らないように環境を整えましょう。
食事の前にコップ1杯の水を飲むことで、胃に物理的な重さを与え、満腹感を得やすくすることができます。常温の水や炭酸水(無糖)などがおすすめです。
「満腹になるまで食べない」ことを意識しましょう。脳が満腹を感じるまでには時間がかかるため、腹八分目で箸を置く習慣をつけると、食後のだるさも防げます。
この習慣が身につくと、満腹にならなくても満足感を得られるようになります。
食事は「一口30回」噛むことを意識しましょう。
よく噛むことで、脳内で「ヒスタミン」という物質の分泌が促されると考えられています。このヒスタミンが満腹中枢を刺激し、食欲を抑制するように働くと考えられています。
また、ゆっくり味わって食べることは、満足感を高めることにもつながります。
根菜、きのこ、こんにゃく、海藻類、玄米など、食物繊維が豊富で噛み応えのある食材をメニューに加えましょう。自然と咀嚼回数が増え、早食いの防止につながります。
人間の脳はストレスを感じると、脳内で幸福ホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌を増やそうとして、糖質(甘いもの)を欲するようになります。これは体が本当にエネルギー不足になっている「本当の食欲」ではなく、脳がストレスから逃れるために作り出した「偽の食欲」です。
偽の食欲に従って食べてしまうと、またすぐに食べたくなり、さらにストレスが増えるという悪循環に陥りかねません。
この悪循環を断ち切るためには、運動が有効です。漢方の観点では、体を動かすことは「気」の巡りを良くする効果があるとされています。
そのため、散歩やストレッチなどの軽い運動を取り入れてみましょう。軽い運動で気分転換をしたり、停滞した気を巡らせたりすることで、イライラによる「偽の食欲」を落ち着かせる効果が期待できます。
また、入浴や趣味の時間など、自分なりのリラックス方法を見つけ、ストレスを溜め込まないように心がけることも大切です。
参考:https://shuchi.php.co.jp/article/9064

食欲が増しているにもかかわらず体重が激減する、喉が異常に渇く、尿の量が極端に増えるといった症状がある場合は注意が必要です。これらは糖尿病や甲状腺機能亢進症(バセドウ病)などの疾患が隠れている可能性があります。
このような症状が見られる場合は、漢方薬やダイエットを自己判断で行わず、必ず内科を受診して検査を受けてください。
参考:
https://kompas.hosp.keio.ac.jp/disease/000136/
https://hp.kmu.ac.jp/hirakata/visit/search/sikkansyousai/d02-022.html

漢方薬は「なんとなく良さそう」で選ぶのではなく、自分の体質に合ったものを選ぶことが重要です。体質に合わない漢方薬を飲むと、効果が出なかったり、副作用が出やすくなったりすることもあります。
ご自身の体質や食欲の原因を正しく見極めるためにも、医師に相談することをおすすめします。

前述したように、漢方薬は自分に適したものを選ぶことが難しいため、医師に相談することをおすすめします。しかし、「受診する暇がない」「近くに漢方を処方してくれるクリニックがない」といった方もいらっしゃるでしょう。
オンライン診療サービス「med.」なら、オンラインで診察から処方まで完了するので、手間がかからず忙しい方にもおすすめです。
med.の特徴について詳しく解説します。
med.の利用の流れは、以下の通りです。
このように自宅ですべて完結できるため、移動する必要がなく、待ち時間も最小限にできます。また、人に見られる可能性もないため、プライバシーに関する心配もありません。
なお、お薬は決済完了後すぐにヤマト運輸で発送手続きが行われます。当日15時までに決済が完了している場合は即日発送、15時以降に決済した場合は翌日発送です。(※ご注文受付状況、天候や年末年始などの配達状況により遅れが生じる場合もございます)
med.では、診察料や処方料がかからず、薬代のみで処方薬を購入できます。(※1万円以下の場合は送料がかかります)また、通院する必要がないため、交通費も必要ありません。

med.は「SBC湘南美容クリニック」と提携しており、医師が診察し、最適な処方を提案してくれます。また、オンラインでは不安な場合や、医師が必要だと判断した場合は、対面診察も受けられます。
また、土日祝日も診察を受けられ、9時~23時まで受診できるため、忙しい方も無理なく診察を受けられます。

なお、med.ではダイエットや食欲を抑える効果が期待できる漢方薬を取り揃えております。
どの漢方薬が適しているかわからないという方も、医師にご相談ください。
食欲が止まらない原因は、意思の弱さだけではありません。ストレスや体質の乱れによって、脳や体のバランスが崩れていることが原因の可能性もあります。
漢方薬で内側からバランスを整え、生活習慣を少し見直すことで、自然と食欲が落ち着く状態を目指せます。なかなか止まらない食欲にお悩みの方は、ぜひ医師に相談してみてはいかがでしょうか。
SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)
・防風通聖散を服用するダイエット治療薬です。(まずは3か月以上の服用をお試しください。 定期3か月¥18,444〜(税込) )
・大柴胡湯を服用する肝機能障害、高血圧症等の治療薬です。(まずは3か月以上の服用をお試しください。 定期3か月¥18,444〜(税込) )
・桂枝茯苓丸加ヨクイニンを服用する月経不順、血の道症、にきび、しみ、手足のあれ治療薬です。(1週間¥1,995〜)
※効果が実感できるまでには継続的な服用が必要であり、その期間にも個人差がございます。
・防風通聖散の主な副作用として、発疹・発赤、かゆみ、下痢、嘔吐、胃部不快感、めまい、発汗、動悸、むくみ、頭痛などが報告されています。
・大柴胡湯の主な副作用として、食欲不振、腹痛、下痢などが報告されています。
・桂枝茯苓丸加ヨクイニンの主な副作用として、発疹、蕁麻疹、腹部膨満、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、体がだるいなどが報告されています。
・防風通聖散は「ダイエット治療」は添付文書に記載のない適応外使用を指します。
・大柴胡湯の「ダイエット治療」は添付文書に記載のない適応外使用を指します。
・桂枝茯苓丸加ヨクイニンの「食欲抑制」は添付文書に記載のない適応外使用を指します。
・防風通聖散、大柴胡湯、桂枝茯苓丸加ヨクイニンは、国内正規販売代理店(医薬品卸業)から仕入れています。
・防風通聖散が、医療用医薬品の散剤として腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの、高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘で厚生労働省に承認されています。
ダイエット治療を目的として承認されている同成分の内服薬はありません。
・大柴胡湯が、医療用医薬品の散剤として比較的体力のある人で、便秘がちで、上腹部が張って苦しく、耳鳴り、肩こりなど伴う肝機能障害症治療目的で厚生労働省に承認されています。
ダイエット治療を目的として承認されている同成分の内服薬はありません。
・桂枝茯苓丸加ヨクイニンが、医療用医薬品の散剤として比較的体力があり、下部腹部痛、肩こり、頭重、めまい、を訴えるものの月経不順、血の道症、にきび、しみ、手足のあれの治療目的で厚生労働省に承認されています。食欲抑制治療を目的として承認されている同成分の内服薬はありません。
・防風通聖散は、諸外国でも処方箋医薬品、一般用医薬品としてダイエット治療を目的とした使用は承認されていません。
・大柴胡湯は、諸外国でも処方箋医薬品、一般用医薬品としてダイエット治療を目的とした使用は承認されていません。
・桂枝茯苓丸加ヨクイニンは、諸外国でも処方箋医薬品、一般用医薬品として食欲抑制を目的とした使用は承認されていません。
そのため、重大なリスクが明らかになってない可能性があります。
万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
お問い合わせ先
お問い合わせはmed.カスタマーサポートまで。