SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)

毎月来るはずの生理が予定通りに来なかったり、逆に早まったりして、不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。また予測できないと、予想外のタイミングで生理がきてしまい、生理用品がなくて困ってしまうといったこともあるでしょう。
生理周期は女性の健康のバロメーターとも言われ、ストレスや生活習慣の乱れが影響しやすいという特徴があります。
生理不順を改善する方法として、低用量ピルなどのホルモン療法が一般的ですが、「薬に頼らず自然なリズムを取り戻したい」「冷えやむくみなど他の不調も一緒に治したい」と考える方も多いのではないでしょうか。そんな方におすすめなのが、体の内側からバランスを整える「漢方薬」です。
しかし、漢方薬は種類が多く、症状と体質の両方を考慮して、自身に適したものを選ぶことが重要です。
本記事では、生理不順の定義や原因、生理不順のタイプごとにおすすめの漢方薬について詳しく解説します。生理不順でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

生理不順(月経不順)とは、生理の周期や期間、経血の量が正常な範囲から外れてしまっている状態を指します。まず、生理不順の定義や原因について見てみましょう。
正常な生理周期は「25日〜38日」の間で、変動が6日以内であれば順調とされています。また、出血が続く期間(月経持続期間)は3〜7日が正常範囲です。
これに対し、生理周期が24日以内と短くなるものを「頻発月経(ひんぱつげっけい)」、逆に39日以上と長くなるものを「稀発月経(きはつげっけい)」と呼びます。さらに、妊娠していないにもかかわらず3ヶ月以上生理が来ない状態は「無月経」と診断されます。
| 月経異常の種類 | 定義 |
| 月経不順 | 月経周期が不規則で次の月経の予測がつかない |
| 頻発月経 | 月経周期が24日以内 |
| 稀発月経 | 月経周期が39~89日 |
| 無月経 | 3ヶ月以上月経がない |
周期が一定せず、早まったり遅れたりして次の生理の予測がつかない場合も生理不順に含まれます。
生理不順が起こる原因の多くは、ホルモンバランスの乱れにあります。
女性の体は非常にデリケートで、急激なダイエットによる体重減少や栄養不足、過度なストレスなどの影響によって、ホルモン分泌の指令がうまく出せなくなることで周期が乱れてしまいます。また、受験や就職、引越しといった環境の変化や、夜更かしなどの不規則な生活習慣が原因になることも少なくありません。
また、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や甲状腺機能異常といった病気が隠れている可能性もあるため、自己判断せず医師の診察を受けて原因を特定することも大切です。
参考:
https://female-sport.jpnsport.go.jp/article/497/
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/menstruation.html

西洋医学ではホルモン数値の異常として捉えますが、漢方医学では生理(月経)を、「腎(生殖機能)」「肝(血の貯蔵・巡り)」「脾(消化吸収・血の生成)」という3つの臓器の機能と、体内を巡る「気(き)・血(けつ)」のバランスによって維持されていると考えます。
これらのバランスが崩れることで生理不順が起こるとされており、主に以下の6つの病態に分類して考えます。
瘀血(おけつ) は、体内の「血(けつ)」の巡りが悪くなり、古い血が滞った状態を指します。
ストレスや冷え、過労、慢性的な炎症などが原因で血流が滞ると、子宮を含む下腹部の循環が悪くなり、月経の排出がスムーズに行われなくなります。その結果、生理周期が遅れたり(稀発月経)、逆に出血がダラダラと長引くなど、月経リズムの乱れにつながることがあります。
また、経血に血の塊が混じる、下腹部の張りや刺すような痛みがあるといった症状も、瘀血のサインとされています。
気虚は、生命エネルギーである「気」が不足している体質です。
過労や不摂生によって気を消耗してしまうと、血液を血管内に留めておく力(固摂作用)が弱まってしまいます。その結果、出血しやすくなる「気不統血(きふとうけつ)」という状態になり、生理周期が早まる傾向があります。
血熱は、味の濃い食事やストレスなどが原因で、熱の邪気である「熱邪(ねつじゃ)」が血に入り込んでしまった状態を指します。体内の熱の勢いによって出血が促進されるため、生理周期が早まる「頻発月経」になりやすくなります。
血寒は、体の冷えや慢性的な疾患によって、寒さの邪気である「寒邪(かんじゃ)」が血に入り込んだ状態です。
寒さによって血の流れが停滞してしまうため、生理周期が遅れる「稀発月経」になる傾向があります。
血虚は、人体に必要な栄養である「血」が不足している体質のことです。主な原因には、偏食や胃腸機能の低下などが挙げられます。
血が足りないため、子宮を血液で満たすのに時間がかかってしまい、その結果として生理周期が遅れてしまいます。
肝鬱気滞は、自律神経や情緒の調節を司る「肝」の気(肝気)が滞っている体質です。
ストレスや緊張状態が続くと肝気の流れが悪化し、それがホルモンバランスの崩れにつながって生理不順を引き起こします。
参考:
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/di/column/koui/201411/539165.html
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/di/column/koui/201411/539165.html
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/di/column/koui/201411/539167.html

生理不順を改善するために、漢方医学ではどのようなアプローチをとるのでしょうか。一般的なピル(ホルモン療法)との違いや、漢方薬ならではのメリットについて見ていきましょう。
生理不順の治療として一般的な低用量ピルと漢方薬には、アプローチの仕方に違いがあります。
低用量ピルは、ホルモンを補充することで人工的に周期を作り出す治療法であり、周期のコントロールが期待できるのが特徴です。一方、漢方薬は、自律神経や血流、体の冷えなど全身のバランスに働きかけることで、自分の力でホルモンリズムを整えやすい状態を目指します。
低用量ピルについては下記記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
低用量ピルとは?効果や種類・副作用までわかりやすく解説
漢方薬には、ピルにはない独自のメリットがあります。
まず、「妊娠を希望しているためピルを飲みたくない」「ホルモン剤の副作用が心配」という方でも安心して取り組める点です。また、生理不順という特定の症状だけでなく、冷え性、むくみ、肌荒れ、PMS(月経前症候群)などに対し、全身のバランスを整えることで、複数の不調へ同時にアプローチできます。

生理不順に効果のある漢方薬にはどのようなものがあるのか、タイプ別に紹介します。自身の生理の状態や体質に合わせて、適した漢方薬を選びましょう。
不足している「血」を補って体を温めつつ、体内に溜まった余分な水分を排出する働きがあります。血行を良くして卵巣機能を高めることで、遅れがちな生理周期を整えることが期待できます。
特に、色白で体力がなく、冷え性でむくみやすいといった体質の方に適しているとされています。
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体を潤す「血」と栄養を補うための処方です。栄養不足が原因で生理が遅れている状態(稀発月経)に対し、血を増やすことでリズムを正常に戻す助けとなります。
皮膚がカサカサして乾燥している方や、顔色が悪い方に適しているとされ、冷えやむくみはそれほど強くない場合に用いられます。
名前の通り「経(月経)」を「温」める処方で、血液を補いながら乾燥を潤します。冷えによって滞ってしまった血流を改善し、遅れがちな生理を改善する効果が期待できます。
唇が乾く、手足がほてる、下腹部が冷えるといった症状がある生理不順の方に適しています。
滞った「血」を巡らせる作用があります。これにより、スムーズな月経の排出を促す効果が期待できます。
月経痛・月経異常を改善する可能性があります。体力は中等度以上で、肩こり、頭痛、のぼせ(冷えのぼせ)があり、経血量が多い方に適しています。
桂枝茯苓丸に、肌トラブルを改善する生薬「ヨクイニン」を加えた処方です。生理不順だけでなく、ニキビや肌荒れが気になる方にもおすすめです。 桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)の購入はこちら
滞った「気」を巡らせてストレスを発散させ、ホルモンバランスの乱れを整える働きが期待できます。「今月は早かったが先月は遅れた」など、周期が定まらないタイプ(経乱)の生理不順を安定させるのに適しているとされています。
体力中等度以下で、肩こりやのぼせ、精神的な不安を感じやすい方に向いていると言われています。
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体にこもった熱を取り除き、強力に血の巡りを改善することで、早まりがちな周期(頻発月経)を正常に戻す働きが期待できます。体力があり、がっちりした体格で、便秘やのぼせが強い方に適しているとされています。
桃核承気湯よりもさらに強く血の滞りを取り除き、便通の改善が期待できます。体力があり、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな方に適しており、更年期症状の一部に用いられることもあります。

生理不順を改善するためには、日々の生活習慣を見直すことも大切です。具体的にどのようなことを注意すべきかについて解説します。
無理なダイエットや急激な体重の増減は、ホルモンバランスを乱す主な原因となります。BMIを目安に適正体重を保つよう心がけましょう。
日本肥満学会における普通体重に分類されるBMIは18.5以上25以下です。
BMI(Body Mass Index)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
例えば、身長が160cmで体重が55kgだった場合は「55÷1.6÷1.6」と計算し、BMIは約21.5と算出できます。
また、食事においては、女性ホルモンの生成や代謝に必要なタンパク質、鉄分、ビタミンE、亜鉛などを意識して、バランスよく摂取することが重要です。
ホルモン分泌の指令を出す脳の視床下部は、ストレスに弱い器官です。趣味や休息の時間を意識的に持ち、こまめにストレスを発散させましょう。
また、質の良い睡眠をとり、規則正しい生活リズムを作ることで自律神経が安定し、ホルモンバランスの乱れを防げます。
ウォーキングやヨガなどの有酸素運動を生活に取り入れ、全身の血行を促進しましょう。
運動不足は冷えや代謝低下を招き、卵巣機能にも悪影響を与えてしまいます。日常的に体を動かす習慣をつけることが大切です。
参考:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-001

ただの生理不順だと思っていたら、別の疾患などが原因であるケースもあります。注意すべき症状について見てみましょう。
稀発月経は進行すると無月経になることがあります。無月経が長期間に及ぶと、子宮が萎縮してしまったり、治療に対する反応が悪くなったりする可能性があるため、放置しないようにしましょう。
また、妊娠の可能性も考慮する必要があります。普段から生理不順があるとなかなか気付けない可能性もあるため、もし3ヶ月以上月経がない場合は、婦人科を受診してください。
生理の量が極端に増えた、生理期間以外に出血がある、あるいは生理痛が激増したといった場合は、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が隠れている可能性があります。このような場合は漢方薬だけに頼らず、医師による診断を受けるようにしましょう。
参考:
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/menstruation.html
https://women-wellness.metro.tokyo.lg.jp/columns/29/
「漢方薬とピル、どちらを選べばいいの?」と迷う方も多いかもしれません。それぞれの役割や特徴を理解し、ライフプランや目的に合わせて上手に使い分けることが大切です。
例えば、ホルモン補充による周期管理や避妊を希望される場合はピルを選び、冷え・むくみなども併せてケアしたい場合は漢方を選ぶなど、目的に応じて選択しましょう。
また、医師の判断によりますが、ピルで周期をコントロールしながら、漢方薬で冷えやストレスケアを行うという併用も可能です。

生理不順を改善したいものの、忙しくて病院に行く時間が取れなかったり、近くに婦人科がなかったりする方もいらっしゃるでしょう。
オンライン診療サービス「med.」なら、オンラインで診察から処方まで完了するので、手間がかからず忙しい方にもおすすめです。
med.の特徴について詳しく解説します。
med.の利用の流れは、以下の通りです。
このように自宅ですべて完結できるため、移動する必要がなく、待ち時間も最小限にできます。また、人に見られる可能性もないため、プライバシーに関する心配もありません。
なお、お薬は決済完了後すぐにヤマト運輸で発送手続きが行われます。当日15時までに決済が完了している場合は即日発送、15時以降に決済した場合は翌日発送です。(※ご注文受付状況、天候や年末年始などの配達状況により遅れが生じる場合もございます)
med.では、診察料や処方料がかからず、薬代のみで処方薬を購入できます。(※1万円以下の場合は送料がかかります)また、通院する必要がないため、交通費も必要ありません。

med.は「SBC湘南美容クリニック」と提携しており、医師が診察し、最適な処方を提案してくれます。また、オンラインでは不安な場合や、医師が必要だと判断した場合は、対面診察も受けられます。
また、土日祝日も診察を受けられ、9時~23時まで受診できるため、忙しい方も無理なく診察を受けられます。

なお、med.では生理不順に効果が期待できる漢方薬を取り揃えております。
また、ピルも処方可能ですので、どの薬を使用すべきかお悩みの場合も、医師にご相談ください。
生理不順は、体のバランスが崩れていることを知らせる重要なサインです。自分の体質に合った漢方薬を選ぶことで、生理のリズムだけでなく、冷えやストレスといった全身のバランスも整える効果が期待できます。
生活習慣の見直しと合わせて、無理なく続けられるケアから始めてみましょう。
SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)
治療等の内容/治療等の期間及び費用
・当帰芍薬散を服用する月経不順等の治療薬です。(1か月 ¥8,550〜)
・桂枝茯苓丸加ヨクイニンを服用する月経不順、血の道症、にきび、しみ、手足のあれ治療薬です。(1週間¥1,995〜)
・加味逍遙散を服用する更年期障害治療薬です。(1か月 ¥8,550〜)
※効果が実感できるまでには継続的な服用が必要であり、その期間にも個人差がございます。
副作用
・当帰芍薬散の主な副作用として、発疹、かゆみ、体がだるい、食欲不振、胃部不快感、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、肝機能異常(AST、ALT等の上昇)などが報告されています。
・桂枝茯苓丸加ヨクイニンの主な副作用として、発疹、蕁麻疹、腹部膨満、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、体がだるいなどが報告されています。
・加味逍遙散の主な副作用として、発疹、発赤、かゆみ、食欲不振、胃部不快感、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などが報告されています。
お問い合わせ先
お問い合わせはmed.カスタマーサポートまで。