SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)

「脇の汗染みが気になって服選びに困る」
「暑くないのに脇から汗が流れてくる」
このような脇汗が多いことでお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
日常的なケアでは追いつかないほど多量の脇汗が出る状態は「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」という疾患の可能性があります。脇は精神的な緊張と体温上昇の両方に反応して発汗しやすい部位であるため、他の場所よりも汗の量が多くなりやすいという特徴があります。
現在は、腋窩多汗症の治療方法として、塗り薬や注射、機器を使った施術などの治療があります。それらの治療を状態に合わせて適切に受ければ、脇の多汗は改善できる可能性があります。
この記事では、腋窩多汗症の原因やセルフチェック方法、治療法について解説します。脇汗でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」とは、脇に多量の汗をかく多汗症のことです。
脇の下は、「緊張したときに出る汗」と「暑いときに出る汗」が両方とも出やすい、少し特殊な部位です。そのため、他の部位に比べて発汗が目立ちやすいという部位特有の性質があります。
腋窩多汗症は右と左の脇の下の両方に、同じように汗がたくさん出やすいという特徴があります。また、手のひらや足の裏の多汗(掌蹠多汗)を伴うケースもみられます。
多くの場合、思春期頃(第二次性徴)から自覚します。衣服への汗染みや滴る汗が気になり仕事や学業に集中できない、脇汗が気になり好きな服を着られないなど、日常生活にさまざまな影響を及ぼすこともあります。
腋窩多汗症とワキガは、原因となる汗腺や主症状が異なります。
多汗症とは、「エクリン腺」という汗腺から出る水っぽい汗が多量に出る状態を指します。これに対し、ワキガとは、「アポクリン腺」という別の汗腺から出る、ニオイのもととなる成分を含んだ汗が原因で、独特のニオイを放つ状態のことです。
腋窩多汗症そのものはニオイの直接的な原因ではありませんが、多量の水分がアポクリン腺の汗を周囲に拡散させたり、皮膚の菌の繁殖を促したりすることで、ワキガのニオイを悪化させる要因になることがあります。
腋窩多汗症とワキガは発症のメカニズムが異なりますが、併発するケースもみられます。
参考:https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/takansho2023.pdf

多汗症にも分類があり、原因が特定できないものを「原発性」、他の病気や薬剤の副作用などが原因で起こるものを「続発性」と呼びます。続発性の場合は、多汗への対処よりも原因となっている背景の治療が優先されるため、一般的な多汗症治療を行うのは「原発性」です。
医療機関では、一定の診断基準に基づいて原発性多汗症かどうかの判断が行われます。まずは、自分の症状が医学的な多汗症の目安に当てはまるかを確認してみましょう。
原因不明の過剰な脇汗が6ヶ月以上続いており、以下の6項目のうち2項目以上に当てはまる場合、「原発性腋窩多汗症」が疑われます。
腋窩多汗症は重症度を4つに分けられます。下記はその重症度を確認するための評価基準です。
グレード3以上では、医師と相談のうえで治療を検討する目安になります。
より詳しくセルフチェックをしたい場合は、下記記事でチェック方法を紹介していますので、併せてご覧ください。
多汗症のセルフチェック3STEPを解説!主な治療方法も紹介
参考:https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2010/103071/201024236A/201024236A0001.pdf

腋窩多汗症の治療は、症状や患者の希望に合わせて医師が判断し、段階的に進めていきます。「原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023 年改訂版」によると、治療は以下のような流れで検討されます。

| 治療ステップ | 治療方法 |
| 第1選択 | ・「塩化アルミニウム外用薬」や「抗コリン外用薬」など、身体への負担が少ない治療から開始する ・効果に応じて切り替えや併用を検討する |
| 第2選択 | 第1選択で効果が不十分な場合、「ボトックス注射」や「抗コリン内服薬」を検討する |
| 第3選択 | 第2選択で効果が不十分な場合、機器による治療や手術を検討する |
では、基本的な進め方に沿って、それぞれの治療について解説します。
一般的には、身体への負担が少なく、日常的に取り入れやすい塗り薬から治療を始めます。塗り薬には、「抗コリン外用薬」と「塩化アルミニウム液」の2種類があります。
【抗コリン外用薬】
抗コリン外用薬は、皮膚から成分が浸透し、発汗に関わるアセチルコリンの働きを抑えることで発汗を抑制する薬です。1日1回塗布することで変化が期待できます。
腋窩多汗症を対象とした抗コリン外用薬は、「エクロックゲル」や「ラピフォートワイプ」などが承認されています。
ただし、薬液が目に入ると一時的に瞳孔が開いてまぶしさを感じる(散瞳)ことがあるため、使用後は指先を洗い流すことが大切です。
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【塩化アルミニウム液】
塩化アルミニウム液は、汗腺の出口に蓋をすることで物理的に発汗を抑える多汗症の代表的な治療法です。
一定の効果が見込まれる一方、高濃度の製剤はかゆみや赤みなどの皮膚刺激を引き起こすリスクがあるため、肌の状態に注意しながら使用する必要があります。
塗り薬で十分な変化が得られない場合には、注射や内服薬が検討されます。
【ボトックス注射】
ボトックス注射は、脇の下に直接薬剤を注射し、汗を出す神経の働きを局所的に弱める治療です。1回の処置で数ヶ月の効果持続が期待できます。
重度の原発性腋窩多汗症と診断された場合に限り、健康保険が適用されます。
【抗コリン内服薬】
抗コリン内服薬は、アセチルコリンの働きを抑えることで、発汗を抑制する薬です。外用薬と異なり、内服薬は脇だけでなく全身の発汗に対して効果が期待できます。
副作用として口の渇き(口渇)、便秘、目のかすみといった症状が出る可能性があります。
【漢方薬】
ガイドラインには含まれていませんが、補助的な治療として漢方薬が処方されることもあります。
漢方薬のうち、例えば、「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」と呼ばれる漢方薬は、体内から水分代謝を調整し、発汗異常を整えるといった効果が期待できます。
他にも、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」などが用いられることがあります。
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薬や注射で十分な効果が得られない重症の方には、物理的に汗腺へアプローチする処置が検討されることがあります。
【ミラドライ】
ミラドライは、皮膚を切らずにマイクロ波を照射し、汗腺を熱によって破壊する治療です。長期的な効果が期待でき、傷跡も残りにくいという特徴があります。
健康保険が適用されない自由診療となるため、費用は比較的高額になる傾向があります。
【手術】
腋窩多汗症の手術は、脇の皮膚を4〜5cmほど切開し、皮膚の裏側にある汗腺(エクリン腺・アポクリン腺)を含む皮下組織を直接取り除きます。
高い効果が期待できる一方、一時的に皮膚を剥離(はくり)させるため、術後は皮膚の血流を安定させ、壊死などの合併症を防ぐためにガーゼでの圧迫固定や、数日間の厳重な運動制限が必要です。
傷跡が残る可能性や身体への負担を含め、専門医と十分に相談して決定することが重要です。
参考:
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2010/103071/201024236A/201024236A0001.pdf
https://www.pmda.go.jp/RMP/www/730155/63a55b95-6ff1-4c6b-90ad-e44c6126fd99/730155_12597A0X1025_01_001RMPm.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishinihonhifu/66/1/66_1_53/_article/-char/ja

脇汗にお悩みであれば、治療を受けることをおすすめします。しかし、「忙しくて病院に行けない」「汗のことを対面で相談するのは恥ずかしい」という方もいらっしゃるでしょう。
オンライン診療サービス「med.」なら、オンラインで診察から処方まで完了するので、手間がかからず忙しい方にもおすすめです。
med.の特徴について詳しく解説します。
med.の利用の流れは、以下の通りです。
このように自宅ですべて完結できるため、移動する必要がなく、待ち時間も最小限にできます。また、人に見られる可能性もないため、プライバシーに関する心配もありません。
なお、お薬は決済完了後すぐにヤマト運輸で発送手続きが行われます。当日15時までに決済が完了している場合は即日発送、15時以降に決済した場合は翌日発送です。(※ご注文受付状況、天候や年末年始などの配達状況により遅れが生じる場合もございます)
med.では、診察料や処方料がかからず、薬代のみで処方薬を購入できます。(※1万円以下の場合は送料がかかります)また、通院する必要がないため、交通費も必要ありません。

med.は「SBC湘南美容クリニック」と提携しており、医師が診察し、最適な処方を提案してくれます。また、オンラインでは不安な場合や、医師が必要だと判断した場合は、対面診察も受けられます。
また、土日祝日も診察を受けられ、9時~23時まで受診できるため、忙しい方でも無理なく診察を受けられます。

なお、med.では脇汗に効果が期待できる西洋薬・漢方薬を取り揃えております。
脇汗改善のためにどの薬を使用すべきかお悩みの場合も、医師にご相談ください。
多量の脇汗が生じる「腋窩多汗症」は、適切な医療によって症状をコントロールすることが可能な疾患です。医学的なアプローチを取り入れることで、これまで日常生活で感じていた不便や心理的な負担を大幅に軽減できる可能性があります。
多汗症の治療は、身体への負担が少ない塗り薬から開始し、医師の診察を通じて重症度に合わせた最適な方法へと段階的に移行していくことが一般的です。
まずは医師の診察を受け、現在の症状に最適な治療方針について相談してみましょう。
SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)
治療等の内容/治療等の期間及び費用
・グリコピロニウムトシル酸塩水和物を使用する原発性腋窩多汗症治療薬です。(¥6,800/14枚〜)
・防已黄耆湯を服用する多汗症治療薬です。(まずは3か月以上の服用をお試しください。
定期3か月¥18,444〜(税込) )
・補中益気湯を服用する多汗症治療薬です。(まずは3か月以上の服用をお試しください。
3か月¥35,100〜(税込))
※効果が実感できるまでには継続的な服用が必要であり、その期間にも個人差がございます。
副作用
・ラピフォートワイプの主な副作用として、まぶしい、瞳孔(ひとみ)の拡大、眼がかすむ、眼が乾く、尿が出にくい、尿の回数が多い、口が乾く、肌のかぶれ、体温調節障害(発汗低下による熱中症リスク)などが報告されています。
・防已黄耆湯の主な副作用として、発疹、かゆみ、不眠、発汗過多、頻脈、動悸、食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、軟便、下痢、排尿障害などが報告されています。
・補中益気湯の主な副作用として、発疹、蕁麻疹、食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢などが報告されています。
お問い合わせ先
お問い合わせはmed.カスタマーサポートまで。