SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)

自分の体臭、特に脇のニオイが気になり、「ワキガかもしれない」「周囲に不快な思いをさせていないか心配」と不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。ふとした瞬間に自分のニオイが気になってしまうと、日常生活を心から楽しむことが難しくなってしまいます。
ワキガ(腋臭症)は不潔にしているから発生するものではなく、遺伝的な体質が大きく関係しています。
しかし、改善を諦める必要はありません。正しい知識を持ち、自分に合った適切なケアや治療を行うことで、悩みを解消できる可能性は十分にあります。
この記事では、ワキガのニオイが発生するメカニズムや、セルフケアから医療でのアプローチまでさまざまな対策方法を解説しています。ニオイにお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。

ワキガ(腋臭症)は、汗に含まれる特定の成分が皮膚の常在菌によって分解されることで、独特の強いニオイが発生します。「汗をかいたまま放置したニオイ」と混同されることがありますが、通常の汗のニオイとは発生源やニオイの質が異なります。
日本人の約1割程度がワキガ体質だといわれており、体質の影響が大きいという特徴があります。 適切なケアや医療機関での治療によって、ニオイを軽減したり、原因を取り除いたりすることが可能な場合もあります。

ワキガの対策をするには、まず「なぜニオイが発生するのか」という仕組みを理解することが重要です。そこで、ワキガのニオイが発生するメカニズムについて見てみましょう。
人間の体には、汗を分泌する腺が2種類存在します。それぞれ役割や分泌される汗の性質が大きく異なります。
まず、エクリン腺は全身にあり、体温調節のためのサラサラした汗(無臭)を分泌する汗腺です。
一方、アポクリン腺は脇の下など特定の部位にあり、脂質やタンパク質を含む汗を分泌します。このアポクリン腺からの汗に含まれる成分が、ニオイのもとになりやすく、その多さは遺伝によって決まります。
アポクリン腺から出た汗がワキガの原因とお伝えしましたが、出たばかりの汗そのものには、強いニオイはありません。
皮膚の表面には、常にさまざまな菌(常在菌)が存在しています。アポクリン腺から分泌された汗に含まれる脂質やタンパク質、脂肪酸などが、これらの常在菌によって分解・酸化される過程で、ワキガ特有のニオイ物質が発生します。
つまり、ワキガのニオイが発生するには「アポクリン腺からの汗」と「皮膚の常在菌」の2つの要素が揃う必要があります。逆に言えば、このどちらかに対処することで、ニオイを抑えられるということです。
自分がワキガ体質かどうかを客観的に判断するための目安があります。以下の項目をチェックしてみましょう。
| チェック項目 | 判断方法 |
| 耳垢の状態 | 耳の中にはアポクリン腺が多く分布しているため、耳垢が湿っている(キャラメル状)場合はアポクリン腺が多い傾向あり |
| 衣類の黄ばみ | 白い下着やシャツの脇部分が黄色く変色するのは、アポクリン腺から出る汗に含まれる色素成分(リポフスチン)が原因である可能性が高い |
| 遺伝的要因 | 両親や兄弟にワキガ体質の人がいる場合、遺伝する確率が高い |
| ティッシュテスト | 脇にティッシュを5分間挟み、そのティッシュから鼻にツンとくるニオイや、鉛筆の芯のようなニオイがするか確認する |

ワキガ対策をセルフケアで行う場合は、ニオイの材料となる「アポクリン腺」を減らすことと、分解を行う「常在菌」の繁殖を抑えることが基本です。まずは日常生活でできることから始めてみましょう。
まず、生活習慣を見直してみましょう。
特に、食事の内容は体臭に影響を与えることがあります。肉類や乳製品などの動物性タンパク質や脂質の多い食事を摂りすぎないように注意し、バランスの取れた食生活を心がけましょう。
また、飲酒や喫煙も交感神経を刺激して発汗を促したり、ニオイを強くしたりする要因となるため、控えることをおすすめします。
適度な運動も大切です。日頃から運動をして汗をかく習慣をつけると、汗腺の機能が正常に保たれ、老廃物の排出がスムーズになります。
ストレスもホルモンバランスを乱し、発汗の引き金になることがあるため、自分なりのリラックス方法を見つけることもニオイ対策の一環となります。
体を清潔に保つことは重要ですが、洗い方には注意が必要です。ナイロンタオルなどでゴシゴシと強く擦りすぎると、皮膚を守っている常在菌のバランスが崩れたり、皮膚のバリア機能が低下したりして、かえってニオイ菌が繁殖しやすくなるリスクがあります。
入浴時は、殺菌成分(イソプロピルメチルフェノールなど)が配合された薬用石鹸を使用し、たっぷりの泡で優しく手洗いすることをおすすめします。泡で包み込むように洗うだけで汚れは十分に落ちますし、皮膚環境を健やかに保つことで、過剰な菌の繁殖を防ぐことにつながります。
衣類の素材選びもニオイ対策になります。
ポリエステルなどの化学繊維は通気性が悪く、ニオイがこもりやすい傾向があります。一方、綿(コットン)や麻などの天然素材は通気性や吸湿性に優れているため、汗を素早く吸い取ってくれます。
菌の繁殖しやすい高温多湿な状態を防止するためにも、通気性のいい服や天然素材のインナーを選ぶなど、衣類を工夫しましょう。
日中、脇に汗をかいたときは、こまめに拭き取ることが大切です。
汗拭きシートやタオルで拭くだけではなく、アルコール綿(清浄綿)を使用する方法もあります。アルコール綿で拭き取ることで、皮膚表面の細菌の菌数を一時的に減らし、ニオイの発生を元から断つ効果が期待できます。
ただし、アルコールは脱脂力が強いため、頻繁に使用しすぎると肌荒れの原因になることがあります。アルコール過敏症の方や肌が弱い方は使用を控えるか、使用前にパッチテストを行うなど、肌の状態に合わせて慎重に行いましょう。
制汗剤やデオドラント剤は、汗ばんだ肌の上から塗っても効果が半減してしまいます。使用する際は、必ず汗を拭き取り、肌を「清潔」かつ「乾燥」させた状態で塗ることが重要です。
また、製品のタイプによって特徴が異なるため、自分のライフスタイルや症状に合わせて使い分けると良いでしょう。
▼制汗剤やデオドラント剤の特徴
| タイプ | 特徴 | おすすめのシーン |
| スプレータイプ | 清涼感があり、広範囲に手軽に塗布できる | 軽いリフレッシュや背中などの広い範囲 |
| ロールオンタイプ | 手を汚さずに塗れるが、乾くまで少し時間がかかる | 外出先で手軽に塗り直したいとき |
| クリーム・スティック | 肌への密着度が高い | 朝のケアや、ニオイをしっかり抑えたいとき |
脇毛が生えていると、毛に汗や皮脂が付着し、湿気がこもりやすくなります。これは細菌にとって絶好の繁殖場所となってしまいます。 そのため、脇毛を処理・脱毛することで、脇の下の通気性が良くなり、細菌の繁殖を抑える効果が期待できます。
そのため、脇毛を処理・脱毛することで、脇の下の通気性が良くなり、細菌の繁殖を抑える効果が期待できます。
また、毛がなくなることで、制汗剤やデオドラント剤が皮膚に直接届きやすくなり、製品本来の効果をより発揮しやすくなるというメリットもあります。男性であっても、脇毛を処理・脱毛することは、有効なワキガ対策の一つです。
ワキガ体質の方の衣服の黄ばみは、アポクリン腺から出る色素成分「リポフスチン」などが原因です。また、繊維の奥に入り込んだニオイ菌は通常の洗濯では落ちにくく、洗ったはずなのに着るとニオイがするという「ニオイ戻り」が発生することがあります。
これを防ぐためには、酸素系漂白剤を使用した「つけ置き洗い」が有効です。40度〜50度程度のお湯に洗剤と漂白剤を溶かし、30分〜1時間ほどつけ置いてから洗濯することで、除菌・消臭効果が高まります。
ただし、色落ちなどを防ぐためにも、洗濯表示を確認し、色柄物は目立たない部分で試しましょう。
綿素材などの熱に強い衣類であれば、煮沸消毒も殺菌に高い効果が期待できます。
参考:
https://jp.rohto.com/learn-more/bodyguide/nioi/bodyodor/
https://jp.rohto.com/learn-more/bodyguide/nioi/yellowing/

セルフケアでは改善が難しい場合や、しっかりとした効果を求める場合は、医療機関での治療も検討しましょう。
では、ワキガの治療について解説します。
まずは、体の外からアプローチできる「薬」を使用する治療法から検討しましょう。多汗症治療薬が用いられることが多いものの、汗を減らすことで結果的にニオイが軽減される効果が期待できます。
外用薬(塗り薬)である「塩化アルミニウム外用薬」は、汗腺に蓋をして汗を止める効果があります。
また、近年では「エクロックゲル」や「ラピフォートワイプ」といった、神経からの発汗指令をブロックする新しい抗コリン薬も登場しており、汗の量を減らすことで、結果的にニオイの軽減につながります。
内服薬(飲み薬)として「プロバンサイン」などが処方されることもあります。これは全身の発汗を抑える薬で、一時的に汗を止めたい場合に用いられます。
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「ボトックス治療」は、ボツリヌス菌がつくるタンパク質を精製した薬剤を脇に注射する治療法です。交感神経から汗腺への伝達をブロックすることで、発汗を抑えてニオイが軽減することがあります。
施術時間は短く、ダウンタイム(回復期間)もほとんどないため手軽に受けられますが、効果は永続的ではなく、個人差はありますが4〜9ヶ月程度で薄れていきます。
多汗症も併発しており、重度の原発性腋窩多汗症と診断された場合は、保険適用で治療を受けることが可能です。
ニオイの元となるアポクリン腺そのものを除去し、半永久的な効果を目指す場合は手術療法が検討されます。
代表的な手術である「剪除法(せんじょほう/皮弁法)」は、脇の皮膚を数センチ切開し、医師が直接目で確認しながらアポクリン腺を取り除く方法です。保険適用が可能で、高い効果が期待できますが、術後は皮膚を固定するための「タイオーバー固定」などによる安静期間が必要です。
また、自費診療となりますが、マイクロ波を照射して汗腺を破壊する「ミラドライ」という治療機器もあります。切開しないためダウンタイムは短いですが、効果には個人差があります。
| 治療法 | 特徴 | 備考 |
| 剪除法(皮弁法) | 皮膚を切開し、汗腺を目視で除去する保険適用の手術 |
・保険適用で安価、再発率が低く、高い効果が期待できる
・術後の固定・安静が必要 ・傷跡が残るリスクや血種(血が溜まる)のリスクがある |
| ミラドライ | マイクロ波で皮膚の上から汗腺を破壊する |
・切らないため傷跡が残らない
・ダウンタイムが短い ・自費診療で高額になる傾向がある ・効果に個人差がある |
参考:https://www.nms.ac.jp/var/rev0/0058/1839/12133133737.pdf

ワキガそのものを漢方薬で完治させることは難しいですが、汗の量が多いことでニオイが拡散しやすくなっている「多汗傾向」の方には、漢方薬が役立つ場合があります。
東洋医学では、汗が出る原因を体内の水分バランスの乱れや、エネルギー不足などと捉えます。漢方薬を用いて発汗量をコントロールすることで、結果的に制汗剤の使用頻度を減らすなど、生活の質を向上させる効果が期待できます。
例えば、以下のような漢方薬です。
【防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)】
「黄耆(おうぎ)」という生薬が汗漏れを防ぐと同時に、「防已(ぼうい)」が体内の余分な水分を尿として排出させることで、体の水はけを良くし、ダラダラと出る汗を止める効果が期待できます。
筋肉にしまりがなく、水太り体質の方に向いています。疲れやすく、夕方になると足がむくむ、膝関節が痛むといった症状がある場合の全身性の多汗に特に効果的です。
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【補中益気湯(ほちゅうえっきとう)】
胃腸の機能を立て直してエネルギーを産生し、下がってしまった気を上げることで、汗を留める力を回復させることが期待できます。
もともと体力がなく、線が細い虚弱体質の方に向いており、夏バテしやすい、食欲がない、手足がだるい、食後にどっと汗が出る、寝汗をかくといった症状がある方に適しているとされています。
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ただし、漢方薬は体質に合わないものを選ぶと、十分な効果が得られなかったり、副作用が出たりすることがあります。そのため、医師に相談して処方してもらうことをおすすめします。
参考:
https://medical.tsumura.co.jp/products/020/pdf/020-tenbun.pdf
https://medical.tsumura.co.jp/products/041/pdf/041-tenbun.pdf

「病院に行きたいけれど、忙しくて時間がない」「対面でワキガや多汗症の相談をするのは恥ずかしい」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
オンライン診療サービス「med.」なら、オンラインで診察から処方まで完了するので、手間がかからず忙しい方にもおすすめです。
med.の特徴について詳しく解説します。
med.の利用の流れは、以下の通りです。
このように自宅ですべて完結できるため、移動する必要がなく、待ち時間も最小限にできます。また、人に見られる可能性もないため、プライバシーに関する心配もありません。
なお、お薬は決済完了後すぐにヤマト運輸で発送手続きが行われます。当日15時までに決済が完了している場合は即日発送、15時以降に決済した場合は翌日発送です。(※ご注文受付状況、天候や年末年始などの配達状況により遅れが生じる場合もございます)
med.では、診察料や処方料がかからず、薬代のみで処方薬を購入できます。(※1万円以下の場合は送料がかかります)また、通院する必要がないため、交通費も必要ありません。

med.は「SBC湘南美容クリニック」と提携しており、医師が診察し、最適な処方を提案してくれます。また、オンラインでは不安な場合や、医師が必要だと判断した場合は、対面診察も受けられます。
また、土日祝日も診察を受けられ、9時~23時まで受診できるため、忙しい方も無理なく診察を受けられます。

なお、med.ではワキガや汗の軽減効果が期待できる処方薬を取り揃えております。
ワキガの改善のためにどの薬を使用すべきかお悩みの場合も、医師にご相談ください。
ワキガは遺伝的な要素が強く、ニオイの原因は「アポクリン腺からの汗」と「皮膚の常在菌」の組み合わせにあります。
ワキガのニオイを軽減するためには、食生活の改善や正しい入浴、衣類の工夫といったセルフケアから始めてみましょう。それでも改善が見られない場合は、処方薬やボトックス注射、手術など、医療機関で受けられる治療を検討することをおすすめします。
また、多汗傾向の方には漢方薬というアプローチも有効です。
大切なのは一人で抱え込まず、自分に合った対策を見つけることです。正しい知識と適切なケアで、ニオイを気にせず自信を持って過ごせる毎日を取り戻しましょう。
SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)
治療等の内容/治療等の期間及び費用
・ラピフォートワイプを使用する原発性腋窩多汗症治療薬です。(¥6,800/14枚〜)
・防已黄耆湯を服用する多汗症治療薬です。(まずは3か月以上の服用をお試しください。
定期3か月¥18,444〜(税込) )
・補中益気湯を服用する多汗症治療薬です。(まずは3か月以上の服用をお試しください。
3か月¥35,100〜(税込))
※効果が実感できるまでには継続的な服用が必要であり、その期間にも個人差がございます。
副作用
・ラピフォートワイプの主な副作用として、まぶしい、瞳孔(ひとみ)の拡大、眼がかすむ、眼が乾く、尿が出にくい、尿の回数が多い、口が乾く、肌のかぶれ、体温調節障害(発汗低下による熱中症リスク)などが報告されています。
・防已黄耆湯の主な副作用として、発疹、かゆみ、不眠、発汗過多、頻脈、動悸、食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、軟便、下痢、排尿障害などが報告されています。
・補中益気湯の主な副作用として、発疹、蕁麻疹、食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢などが報告されています。
お問い合わせ先
お問い合わせはmed.カスタマーサポートまで。