お腹が痛くなりにくい便秘薬|種類と使い分け方を徹底解説

ヘルスケア
投稿:2026.02.28更新:2026.02.28
お腹が痛くなりにくい便秘薬|種類と使い分け方を徹底解説

便秘薬を使用した際に、いやなお腹の痛さと不快感を感じた経験がある方もいらっしゃるでしょう。お腹が痛くなるかどうかは便秘薬の種類によって異なり、以下のように痛くなりにくいものもあります。

  • 浸透圧性下剤(塩類下剤)
  • 膨張性下剤
  • 便軟化剤

そのため、どの便秘薬が腹痛を起こしやすいのかを知り、自身の便秘症状に合わせて便秘薬を選ぶことが大切です。

本記事では、便秘薬が腹痛を起こす仕組みや、お腹が痛くなりにくい「非刺激性下剤」の種類と特徴、そして症状別の正しい使い分け方を詳しく解説します。お腹が痛くなりにくく、自身に合った便秘薬をお探しの方は、ぜひ最後までお読みください。

なぜ便秘薬でお腹が痛くなるのか

便秘薬は、その働きの違いから大きく「刺激性」と「非刺激性」の2種類に分けられます。お腹の痛みの多くは刺激性下剤を使用したことによるものです。

刺激性下剤は、大腸の粘膜や神経を直接刺激することで、大腸のぜん動運動(便を押し出す動き)を促進します。この強い刺激が腸を急激に収縮させるため、差し込むような強い腹痛(下痢のような痛み)の原因となるのです。

そのため、お腹が痛くならない便秘薬を探しているのであれば、腹痛が起きにくい「非刺激性下剤」を選びましょう。

なお、刺激性下剤は即効性がありますが、繰り返し使用すると大腸が刺激に慣れてしまい、薬なしでは排便できない「下剤依存」のリスクが高まります。そのため、刺激性下剤は「非刺激性下剤を試しても効果がない」場合や、どうしても出ない「ここぞ」という時に限り、短期間の使用に留めることが基本です。

お腹が痛くなりにくい便秘薬の種類と特徴

お腹が痛くなりにくい便秘薬は、大腸を直接刺激しない「非刺激性下剤」に分類されます。これらは、主に便の水分量を増やしたり、カサを増やしたりすることで、腸の自然な動きをサポートします。

非刺激性下剤には以下のような種類があります。

  • 浸透圧性下剤(塩類下剤)
  • 膨張性下剤
  • 便軟化剤

これらの非刺激性下剤は効果が異なるため、便秘症状に合わせて使い分けることが大切です。ただし、非刺激性下剤でも、体質や用量によっては下痢や腹痛が起こることがあります。気になる症状が続く場合は使用を中止し、医師に相談しましょう。

では、非刺激性下剤の種類について解説します。

浸透圧性下剤(塩類下剤)

浸透圧性下剤は、体内に水分を引き込む「浸透圧」を利用し、便を柔らかくして排便を促します。

【仕組み】
薬の成分が水と一緒に大腸内に大量に引き込まれ、便に水分を与えて軟らかくゆるくすることで排便を促します。また、過剰な水分によって大腸の壁が拡張され、自然な収縮(ぜん動)が促される効果もあります。

【注意点】

  • 腎疾患や心不全のある人は体液貯留を引き起こすことがある
  • 高齢者、腎不全や腎疾患、腎機能に影響を与える薬剤を使用している人には、害を及ぼすことがある
  • 服用時は十分な水分を摂ることが重要

代表的な薬

※リンクがある便秘薬はmed.で処方可能です。リンクから各処方薬ページに移動できます。

膨張性下剤

膨張性下剤は、食物繊維などの水分を吸収して膨らむ成分で便の「カサ」を増やし、自然な排便を促します。

【仕組み】
ふすまやオオバコなどの食物繊維で便の量を増加させ、水分を吸収することで、水分を多く含む便が軟らかくなり、排便されやすくなります。便の量が増えることで、腸の自然な収縮が促されます。

【注意点】

  • 腸内ガスの増加(放屁)や腹部膨満感を引き起こすことがある
  • 服用時は、水分をしっかりと摂ることが重要

代表的な薬

  • カルメロースナトリウム
  • ポリカルボフィルCa

便軟化剤

便軟化剤は、便の表面をなめらかにし、硬い便をスムーズに排出できるようにサポートします。

【仕組み】
便の表面に作用し、便をなめらかにし、さらに柔らかくすることで排便しやすくします。また、便の量もわずかに増やし、その刺激により大腸の自然な収縮が促される効果も期待できます。

【注意点】
便が軟化することを不快に感じる人もいる

代表的な薬

  • ジオクチルソジウムスルホサクシネート

便秘解消をサポートする整腸剤

整腸剤は厳密には便秘薬ではありませんが、腸内環境を整えることで、便秘解消をサポートします。腸の調子を自然に整えるため、強い腹痛などの副作用は少ないとされています。※体質によってはお腹の張りなどが出ることもあります。

代表的な薬

※リンクがある便秘薬はmed.で処方可能です。リンクから各処方薬ページに移動できます。

参考:
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00057355
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00055677
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00056931

【便秘の症状別】便秘薬の使い分け方

痛くなりにくい「非刺激性下剤」であっても、便秘のタイプや症状に応じて効果的な薬は異なります。症状別の使い分け方を知っておきましょう。

硬くて出ないとき

便が硬く、排便時に痛みを感じる場合は、便に水分を与えて柔らかくすることが大切です。そのため、まずは「浸透圧性下剤」を試しましょう。

便を水分で満たし、自然な排便を促します。必要に応じて、便の表面を滑らかにする便軟化剤や、便のカサを増やす膨張性下剤を併用します。

張りやガスがつらいとき

便秘によるお腹の張り(腹部膨満感)やガスが多い場合は、薬の選び方に注意が必要です。便の水分量を増やし、便を外に出す浸透圧性下剤は有効ですが、量が多すぎると下痢やガスを誘発することもあるため、少量から試してみましょう。

膨張性下剤は便のカサを増やす過程でガスを発生させやすいため、避けることをおすすめします。

回数が少ないとき

排便リズムが不規則で回数が少ない場合は、腸内環境を整え、リズムを取り戻すことが大切です。整腸剤の継続的な服用と、生活習慣の改善でリズムを整えてみましょう。

痔があるとき

痔や裂肛(切れ痔)がある場合は、硬い便による肛門への負担を避けることが最重要です。便軟化剤で便を極力柔らかくし、排便時の痛みを軽減しましょう。

浸透圧性下剤を併用し、スムーズに排便できるよう補助的に使用することも検討しましょう。

早く出したいとき

「明日の朝までに出したい」など、早く効果を得たい場合は、まず非刺激性下剤から試し、それでも効果がない場合は、刺激性下剤を頓服的に使用することを検討しましょう。

種類や使い分け方については、下記記事でより詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
便秘薬の選び方ガイド|種類や処方薬との違いも解説

参考:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/numa/84/2/84_45/_pdf/-char/ja
https://www.hsp.ehime-u.ac.jp/medicine/wp-content/uploads/202007-2DInews-1.pdf

お腹の痛みが気になるなら漢方薬も検討

漢方薬は、お腹の痛みを起こさずに便秘を改善したい場合に、西洋薬と並んで検討すべき選択肢です。漢方薬は、刺激性下剤のように大腸を強く刺激する薬とは作用の仕組みが異なり、体質や症状に合わせて水分代謝や腸の動きを整えることを目的とした薬です。

便秘に処方される漢方の例

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

▼効果
便通を促進させる働きにより、腸に溜まった老廃物のスムーズな排便を促すことで、便秘改善効果が期待できる

▼副作用
発疹・発赤、かゆみ、下痢、嘔吐、胃部不快感、めまい、発汗、動悸、むくみ、頭痛 など

大柴胡湯(だいさいことう)

▼効果
胃腸の動きを促進する作用により、慢性的な便秘の解消効果が期待できる

▼副作用
食欲不振、腹痛、下痢 など

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)

▼効果
胃腸の動きを促進する作用により、慢性的な便秘の解消効果が期待できる

▼副作用
発疹、発赤、かゆみ など

大建中湯(だいけんちゅうとう)

▼効果
血流を良くして胃腸を温めることで腹部の冷えや痛み、腹部膨満感(おなかの張り)、便秘や下痢といった消化器症状を改善する効果が期待できる

▼副作用
発疹、蕁麻疹、腹部膨満、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、体がだるい など

※これらの漢方薬はmed.で処方可能です。リンクから各処方薬ページに移動できます。

漢方薬は体質に合えば腹痛などの副作用が比較的少ないとされる一方で、合わない場合は腹痛や下痢などが出ることもあります。自身の体質や症状に適した種類を選ぶ必要があるため、漢方薬を使用したい場合は医師に相談することをおすすめします。

便秘解消の基本は生活習慣を整えること

便秘薬はつらい症状の緩和に役立ちますが、便秘を根本から解消するためには、生活習慣の見直しが不可欠です。便秘薬の使用と並行して、以下の基本的な対策を継続しましょう。

カテゴリ具体的な対策
食事・水溶性食物繊維(海藻・果物など)と不溶性食物繊維(野菜・穀類など)を1:2の割合でバランス良く摂取する
・発酵食品やオリゴ糖を毎日適量摂る
水分補給・一度に大量に飲むのではなく、コップ一杯程度(150~250ml)を目安にこまめに分散補給する
・便が硬い人は、温かい飲み物(白湯など)を活用して体を温める
排便習慣・毎日同じ時刻に朝食を摂り、その後5分程度、便意の有無にかかわらず便座に座る習慣をつける
・強くいきみ過ぎず、腹式呼吸などでリラックスして排便する
運動・毎日30分程度のウォーキングなどの有酸素運動を意識する
・腹圧や骨盤底筋を使う軽い運動を取り入れ、腹筋の低下を防ぐ
・運動は週合計150分を目安に継続する
姿勢・排便時に足台を使って膝を股関節より高くし、上半身を前傾させる姿勢をとる
※排便しやすい姿勢には個人差がある
睡眠やストレス管理・起床時間や就寝時刻を揃え、十分な睡眠時間を確保する
・入浴やストレッチなどでストレスを和らげる

これらの生活習慣の整え方に関しては、下記記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
便秘対策の完全ガイド|生活習慣の改善からつらい時の対処法まで

参考:
https://hokkaido-mc.hosp.go.jp/column/benpi_001.html
https://www.gifu-u.ac.jp/about/publication/g_lec/field/42_1.html
https://www.kenei-pharm.com/ebenpi/column/column_123/

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まとめ

便秘薬による腹痛のほとんどは、大腸を強く刺激する「刺激性下剤」によって引き起こされます。腹痛が気になる場合は、お腹が痛くなりにくい「非刺激性下剤」を選び、便を軟らかくしたり、カサを増やしたりして腸の自然な動きをサポートすることが重要です。

特に、浸透圧性下剤(酸化マグネシウムなど)は、働きが比較的穏やかなため、慢性的な便秘によく使用される便秘薬です。また、腹痛の心配が少ない漢方薬や、腸内環境を整える整腸剤も症状に合わせて使用を検討しましょう。

便秘の根本的な解消は、薬だけに頼るのではなく、水分補給、食物繊維のバランス、規則正しい排便習慣、適度な運動といった生活習慣の改善を継続することも重要です。薬を上手に使いつつ、日々の習慣を見直して、快適な排便リズムを取り戻しましょう。

この記事の監修医師

SBC湘南美容クリニック 医師

渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)

医薬品について

治療等の内容/治療等の期間及び費用

・センノシドを服用する便秘治療薬です。(10日分 ¥1,500)

・日局酸化マグネシウムを服用する便秘治療薬です。(5日分 ¥750〜)

・ラクトミンを服用する整腸剤です。(1か月 ¥2,100〜)

・宮入菌末を服用する整腸剤です。(1か月 ¥2,340〜)

・日局サイコ、日局ハンゲ、日局オウゴン、日局シャクヤク、日局タイソウ、日局キジツ、日局ショウキョウ、日局ダイオウを服用する便秘治療薬です。(まずは3か月以上の服用をお試しください。 定期3か月¥18,444〜(税込) )

・日局カッセキ、日局オウゴン、日局カンゾウ、日局キキョウ、日局セッコウ、日局ビャクジュツ、日局ダイオウ、日局ケイガイ、日局サンシシ、日局シャクヤク、日局センキュウ、日局トウキ、日局ハッカ、日局ボウフウ、日局マオウ、日局レンギョウ、日局無水ボウショウ、日局ショウキョウを服用する便秘治療薬です。(まずは3か月以上の服用をお試しください。 定期3か月¥18,444〜(税込) )

・日局シャクヤク、日局ケイヒ、日局タイソウ、日局カンゾウ、日局ショウキョウを服用する便秘治療薬です。(1週間 ¥〜1,995)

・日局カンキョウ、日局ニンジン、日局サンショウを服用する便秘治療薬です。(1週間 ¥1,995〜)

副作用

・センノシドの主な副作用として、腹痛、お腹のゴロゴロ音(腹鳴)、下痢、吐き気・嘔吐などが報告されています。

・酸化マグネシウムの主な副作用として、下痢、血清マグネシウム値上昇などが報告されています。

・ミヤBMの主な副作用として、まれに便秘、下痢、腹部膨満感などが報告されています。

・大柴胡湯の主な副作用として、食欲不振、腹痛、下痢などが報告されています。

・防風通聖散の主な副作用として、発疹・発赤、かゆみ、下痢、嘔吐、胃部不快感、めまい、発汗、動悸、むくみ、頭痛などが報告されています。

・桂枝加芍薬湯の主な副作用として、発疹、発赤、かゆみなどが報告されています。

・大建中湯の主な副作用として、発疹、蕁麻疹、腹部膨満、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、体がだるいなどが報告されています。

お問い合わせ先

お問い合わせはmed.カスタマーサポートまで。