SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)

「手汗で書類やスマートフォンが濡れてしまう」
「脇の汗染みが気になって、人前で上着を脱げない」
このように、日常生活に支障をきたすほどに発汗する場合は「多汗症」の可能性があります。多汗症は、医療機関での適切な処置によって改善が期待できる疾患です。
塗り薬・飲み薬、注射、さらには手術まで、さまざまな治療方法があります。治療したいと考えているのであれば、どのような治療方法があるかを把握しておきましょう。
この記事では、主な多汗症の治療方法の特徴やメリット、注意点について詳しく解説します。汗でお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。

以前は「汗かきな体質」とされてしまうことが多かった多汗症ですが、現在は医学的な治療が必要な疾患とみなされています。多汗症の治療には、塗り薬、飲み薬、注射、さらには手術など、多くの方法が存在します。
多汗症は、原因が特定できない「原発性」と、他の病気や薬剤が原因で起こる「続発性」に分類されます。また、発汗する部位も人によって異なるため、それぞれの分類や部位に適した治療法を選択することが重要です。
多汗症については、下記記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
多汗症とは?原因・診断基準・部位別の治療法を解説
参考:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnkm/8/1/8_07/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/133/13/133_3025/_pdf/-char/ja
治療方針を決定する際には、まず症状がどの程度の重症度であるかを確認します。医療機関では一般的に、以下の「Hyperhidrosis Disease Severity Scale(HDSS)」という重症度判定指標が用いられます。
| グレード | 状態の目安 |
| グレード1 | 発汗は全く気にならず、日常生活に支障がない |
| グレード2 | 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある |
| グレード3 | 発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある |
| グレード4 | 発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある |
グレード3または4に該当する場合、医学的治療の適応となる可能性が高い状態です。
多汗症かどうかをチェックしたい場合は、下記記事でチェック方法を紹介していますので、併せてご覧ください。
多汗症のセルフチェック3ステップを解説!主な治療方法も紹介
参考:https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2010/103071/201024236A/201024236A0001.pdf

多汗症は汗をかく部位によって、いくつかの種類に分けられます。それぞれの特徴を押さえ、自分がどれに当てはまるかを確認してみましょう。
掌蹠多汗症は、手掌に汗をかく「手掌多汗症」と、足の裏に汗をかく「足蹠多汗症」の総称です。小学校就学頃から症状を自覚する方が多いとされています。
精神的な緊張によって悪化しやすく、睡眠中は発汗が止まるという特徴があります。症状が進行すると、緊張時に手から汗がしたたり落ちたり、靴下が濡れたりするほどの量になることがあります。
また、常に皮膚が湿っているため、手足が冷たくなりやすく、あせも(汗疹)や水虫(足白癬)、イボ(尋常性疣贅)などの感染症を引き起こしやすい傾向があります。
学業や仕事においては、手汗による書類の汚損やデバイスの誤作動、握手や人前で靴を脱ぐなどの行動における心理的負担や生活上の不便を招くことがあります。
手汗の治療方法については、下記記事でより詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
手汗の治療について徹底解説!手掌多汗症を改善する薬や処置方法を紹介
腋窩多汗症は、脇の下に多量の汗をかく状態で、第二次性徴を迎える思春期頃から自覚するケースが多くみられます。
脇は、精神的な緊張による汗と、暑さや運動による汗の両方が生じやすい部位で、通常は左右対称に症状がみられます。また、手足の多汗を伴うことも少なくありません。
衣服に目立つ汗染みができることによる見た目の悩みは深刻になりやすく、汗のケア用品代など、経済的な負担も大きくなりやすい傾向があります。
腋窩多汗症については、下記記事でより詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
腋窩多汗症(脇汗)の治療を徹底解説!薬から手術まで紹介
頭部・顔面多汗症は、成人を迎える前後から自覚することが多い多汗症で、耳の上や側頭部、後頭部、額から流れ落ちるほどの大量の汗をかくのが特徴です。
ストレスや緊張をきっかけに起こることが多く、数分で収まる場合もあれば、長時間続くこともあり、メイクの崩れや対人関係におけるストレスなど、日常生活に影響を与えます。
多汗症の治療にあたっては、まず原因不明の「原発性」か、他の疾患が原因の「続発性」かを診断し、部位に応じて分類を行います。
原発性多汗症と診断された場合は、多汗症の治療を開始しますが、日本皮膚科学会の「原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023 年改訂版」では、患者への身体的・経済的負担が少ない治療から優先的に実施することが推奨されています。
基本的には塗り薬などのリスクの低い方法から開始し、効果が不十分な場合に段階を追って注射や手術といった専門的な治療へとステップアップしていく流れが一般的です。
なお、疾患などが原因の「続発性多汗症」の場合は、原因となっている疾患の治療が優先的に行われます。
参考:https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/takansho2023.pdf

多汗症の治療において、外用薬は身体への負担が少なく、日常的に取り入れやすいことから、初期段階で検討されることが多い治療法です。主に汗腺を塞ぐものや、発汗を促す物質の働きを阻害するものなど、症状や部位に合わせて選択されます。
塩化アルミニウム液は、汗腺の出口に蓋をすることで物理的に発汗を抑える多汗症の代表的な治療法です。手、足、脇などに用いられます(頭皮などは刺激に注意が必要です)。
ただし、薬剤の濃度が高い場合には、皮膚への刺激やかゆみが生じることがあります。
抗コリン外用薬は、主に腋窩多汗症(脇)に使用されますが、一部の薬剤は手掌多汗症向けにも処方されます。
汗を出す指令を伝える物質(アセチルコリン)の働きをブロックする薬剤です。腋窩多汗症と診断された場合には「エクロックゲル」や「ラピフォートワイプ」、手掌多汗症と診断された場合には「アポハイドローション」が処方されることがあります。
副作用として、塗布部位の刺激や、口の渇きなどの抗コリン症状が現れることがあります。
ラピフォートワイプの購入はこちら
アポハイドローションの購入はこちら
参考:
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/takansho2023.pdf
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2016/162051/201610106A_upload/201610106A0009.pdf
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00070806

全身の発汗を抑えたい場合や、外用薬だけでは十分な変化が得られない場合には、医師の判断のもと、内服薬が処方されることもあります。
抗コリン薬は、神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを阻害し、全身の汗を抑制する薬です。特定の部位だけでなく全身の発汗を抑えたい場合などに、医師の判断のもと検討されます。
副作用として、口の渇き、便秘、目のかすみなどが出る可能性があります。
漢方薬の中には発汗をコントロールしやすくする効果が期待できるものもあるため、多汗症に処方されるケースもあります。
例えば、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」で胃腸の働きを整えて多汗症を改善するといったアプローチを行います。
他にも、「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」は、体内から水分代謝を調整し、発汗異常を整えるといった効果が期待できます。補助的な治療の一つで、体質に合う場合には有効な方法です。
ただし漢方薬は、即効性は低く効果の実感には個人差があります。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)の購入はこちら
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)の購入はこちら
多汗症に効果が期待できる漢方薬については、下記記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
多汗症に効く漢方薬|5つの原因とおすすめの漢方薬を解説
参考:
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/takansho2023.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnkm/8/1/8_07/_pdf/-char/ja

外用薬や内服薬による治療だけでは十分な効果が得られない局所的な多汗症に対しては、医療機関での専門的な処置が検討されます。
ボトックス注射は、ボツリヌス菌由来の毒素を患部に注射し、汗を出す神経の働きを局所的に弱める注射です。1回の注射で数ヶ月間効果が持続するため、日々のケアの手間を減らせます。
重度の腋窩多汗症の場合を除き、自費診療(自由診療)となるケースが多い治療法です。
イオントフォレーシスは、微弱な電流を流した水に手や足を浸し、電流の作用で発汗を抑える治療法です。副作用がほとんどなく、手足の多汗に対して効果が期待できます。
治療開始当初は、週1〜2回程度の通院が必要です。
参考:
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/takansho2023.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishinihonhifu/66/1/66_1_53/_article/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/skinresearch/3/3/3_3_266/_article/-char/ja/

他の治療法で期待する変化が得られなかった場合や、より長期的な効果を求める場合に検討されるのが、外科的な手術や特殊な機器を用いた治療です。それぞれの特徴とあわせて、術後の経過についても正しく理解しておきましょう。
ETS手術は、背骨の近くにある交感神経の一部を切断することで、発汗の指令を元から遮断します。手汗に対して長期的な効果が期待できる手術です。
一方で「代償性発汗」と呼ばれる現象が発生する可能性があります。ETS手術によって放熱効率の良い手掌の発汗が止まるため、代わりに身体のほかの部分の発汗が増加すると考えられています。
ミラドライは、皮膚を切らずにマイクロ波を照射し、汗腺を熱によって破壊する治療です。長期的な効果が期待でき、傷跡も残りにくいという特徴があります。
健康保険が適用されない自由診療となるため、費用は比較的高額になる傾向があります。
参考:https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/takansho2023.pdf

多汗症でお悩みであれば、治療を受けることをおすすめしますが、「忙しくて病院に行けない」「汗のことを対面で相談するのは恥ずかしい」という方もいらっしゃるでしょう。
オンライン診療サービス「med.」なら、オンラインで診察から処方まで完了するので、手間がかからず忙しい方にもおすすめです。
med.の特徴について詳しく解説します。
med.の利用の流れは、以下の通りです。
このように自宅ですべて完結できるため、移動する必要がなく、待ち時間も最小限にできます。また、人に見られる可能性もないため、プライバシーに関する心配もありません。
なお、お薬は決済完了後すぐにヤマト運輸で発送手続きが行われます。当日15時までに決済が完了している場合は即日発送、15時以降に決済した場合は翌日発送です。(※ご注文受付状況、天候や年末年始などの配達状況により遅れが生じる場合もございます)
med.では、診察料や処方料がかからず、薬代のみで処方薬を購入できます。(※1万円以下の場合は送料がかかります)また、通院する必要がないため、交通費も必要ありません。

med.は「SBC湘南美容クリニック」と提携しており、医師が診察し、最適な処方を提案してくれます。また、オンラインでは不安な場合や、医師が必要だと判断した場合は、対面診察も受けられます。
また、土日祝日も診察を受けられ、9時~23時まで受診できるため、忙しい方も無理なく診察を受けられます。

なお、med.では多汗症に効果が期待できる西洋薬・漢方薬を取り揃えております。
多汗症の改善のためにどの薬を使用すべきかお悩みの場合も、医師にご相談ください。
原発性多汗症は、治療によって改善が期待できる疾患です。
多汗症の治療方法は、塗り薬から手術まで幅広くあります。医師の診断のもと、症状の重さや部位に合わせた最適な治療法を相談しながら進めていくことが重要です。
セルフケアに限界を感じているのであれば、まずは汗の悩みを医師に相談するところから始めてみましょう。
SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)
治療等の内容/治療等の期間及び費用
・グリコピロニウムトシル酸塩水和物を使用する原発性腋窩多汗症治療薬です。(¥6,800/14枚〜)
・オキシブチニン塩酸塩を使用する原発性手掌多汗症治療薬です。(¥4,900/1本〜)
・防已黄耆湯を服用する多汗症治療薬です。(まずは3か月以上の服用をお試しください。
定期3か月¥18,444〜(税込) )
・補中益気湯を服用する多汗症治療薬です。(まずは3か月以上の服用をお試しください。
3か月¥35,100〜(税込))
※効果が実感できるまでには継続的な服用が必要であり、その期間にも個人差がございます。
副作用
・ラピフォートワイプの主な副作用として、まぶしい、瞳孔(ひとみ)の拡大、眼がかすむ、眼が乾く、尿が出にくい、尿の回数が多い、口が乾く、肌のかぶれ、体温調節障害(発汗低下による熱中症リスク)などが報告されています。
・アポハイドローションの主な副作用として、適用部位皮膚炎、適用部位そう痒感、適用部位湿疹、皮脂欠乏症、口渇が報告されています。
・防已黄耆湯の主な副作用として、発疹、かゆみ、不眠、発汗過多、頻脈、動悸、食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、軟便、下痢、排尿障害などが報告されています。
・補中益気湯の主な副作用として、発疹、蕁麻疹、食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢などが報告されています。
お問い合わせ先
お問い合わせはmed.カスタマーサポートまで。