多汗症とは?原因・診断基準・部位別の治療法を解説

ヘルスケア
投稿:2026.03.31更新:2026.03.31
多汗症とは?原因・診断基準・部位別の治療法を解説

「汗をかきすぎて恥ずかしい」
「汗で生活に影響が出て困っているけれど、多汗症?」

このように、汗が多いことでお悩みの方もいらっしゃるでしょう。日常生活に支障が出るほど汗をかいてしまう場合は、多汗症である可能性があります。

ただし、多汗症と一言でいっても、別の疾患の有無や汗をかく部位によって種類があります。また、部位によって治療方法も異なります。

この記事では、多汗症の分類や診断基準、部位ごとの治療方法について解説します。汗でお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。

多汗症の4つの分類と原因

多汗症は、原因となる病気の有無や、汗をかく範囲によって大きく4つのタイプに分類されます。分類ごとの特徴を解説しますので、まず自分がどのタイプに該当するのかを確認しましょう。

原発性局所性多汗症

原発性局所性多汗症とは、原因となる明らかな病気がないにもかかわらず、特定の部位から過剰に発汗する多汗症です。部位ごとに、以下のように名前が付けられています。

  • 脇:腋窩多汗症(えきかたかんしょう)
  • 手のひら:手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)
  • 足の裏:足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)
  • 頭や顔:頭部顔面多汗症(とうぶがんめんたかんしょう)

原発性局所性多汗症は、交感神経の過敏な反応が関与していると考えられていますが、明確な原因は十分に解明されていません。

原発性全身性多汗症

原発性全身性多汗症とは、特定の病気が見当たらないものの、全身の皮膚から過剰な発汗が見られる多汗症です。遺伝的な要因の関与などが研究されている段階にあります。

続発性局所性多汗症

続発性局所性多汗症は、外傷や腫瘍などによる神経障害に関連して起こることがあります。代表的なものに「Frey症候群(フライ症候群)」があり、これは耳下腺の手術や外傷の後、食事の際に耳の前あたりが赤くなり、汗が出るといった症状が見られます。

続発性の場合は、多汗症状そのものへの対処よりも、まずは原因となっている疾患の治療が優先されます。

続発性全身性多汗症

続発性全身性多汗症とは、感染症、内分泌代謝性疾患(甲状腺機能亢進症など)、神経疾患などが原因となって起こる全身の発汗です。また、抗うつ薬や解熱鎮痛剤といった薬剤の副作用によって引き起こされる場合もあります。

いずれの場合も、まずは原因となる病気の治療や、薬剤の調整を行うことが優先されます。

参考:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnkm/8/1/8_07/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/133/13/133_3025/_pdf/-char/ja

多汗症の診断基準と重症度チェック

医療機関では、一定の診断基準に基づいて多汗症かどうかの判断が行われます。特に「原発性局所性多汗症」には明確な指標があります。

では、原発性局所性多汗症のチェック方法について見てみましょう。

「原発性局所性多汗症」の診断基準

原因不明の局所的な発汗が6ヶ月以上続いており、以下の6項目のうち2項目以上に当てはまる場合に多汗症と診断されます。

  1. 最初に症状が出たのが25歳以下である
  2. 左右対称性に発汗がみられる
  3. 睡眠中は発汗が止まっている
  4. 1週間に1回以上、多汗のエピソードがある
  5. 家族歴がみられる
  6. それらによって日常生活に支障をきたす

重症度判定(HDSS)で見る受診の目安

局所性多汗症と診断された場合、以下の4段階で重症度の評価を行います。

  • グレード1:発汗は気にならず、日常生活に支障がない
  • グレード2:発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
  • グレード3:発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
  • グレード4:発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある

グレード3以上では、医師と相談のうえで治療を検討する目安になります。

より詳しくセルフチェックをしたい場合は、下記記事でチェック方法を紹介していますので、併せてご覧ください。
多汗症のセルフチェック3ステップを解説!主な治療方法も紹介

参考:https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2010/103071/201024236A/201024236A0001.pdf

【部位別】症状の特徴と主な治療法

汗に悩む部位によって、日常生活での困りごとや適した治療法は異なります。部位ごとの特徴を理解しておくことが大切です。

脇の下の汗(腋窩多汗症)

腋窩多汗症とは、脇の下に多量の汗をかく状態で、服に目立つ汗染みができる悩みのほか、汗によるニオイが気になったり、腋臭症(ワキガ)を併発して悩む方もいます。

主な治療方法として、

  • 塩化アルミニウム液や抗コリン外用薬の塗布
  • ボトックス注射
  • ミラドライ(マイクロ波治療)

などがあります。
重度の腋窩多汗症と診断された場合は、ボトックス注射に保険が適用されるケースもあります。

手のひらの汗(手掌多汗症)

手掌多汗症とは、主に手のひらに多量の汗をかく状態で、書類が汗で濡れたり、握手をためらったり、スマートフォンの指紋認証や操作がうまくいかないといった日常生活での支障が出やすい多汗症です。

主な治療法として、

  • 塩化アルミニウム液や抗コリン外用薬の塗布
  • イオントフォレーシス
  • 内服薬の服用

などがあります。
上記の治療で効果が得られない場合には、ETS手術が検討されることもあります。

足の裏の汗(足蹠多汗症)

足蹠多汗症とは、足の裏に多量の汗をかく状態で、靴の中が常に蒸れて滑りやすくなったり、強いニオイが発生したり、床を歩くと足跡がつくといった困りごとがみられます。

主な治療法として、

  • 塩化アルミニウム液の塗布
  • イオントフォレーシス
  • 内服薬の服用

などがあります。

顔・頭の汗(頭部顔面多汗症)

頭部顔面多汗症とは、顔や頭に多量の汗をかく状態で、メイクがすぐに崩れる、食事中に汗が垂れてくる、人目が気になり外出が怖くなるといった心理的負担が大きい傾向にあります。

主な治療法として、

  • 塩化アルミニウム液の塗布
  • 内服薬の服用

などがあります。

参考:
https://qa.dermatol.or.jp/qa32/q10.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/133/2/133_157/_pdf

医療機関で行う多汗症の主な治療

前述したように、多汗症の治療にはさまざまな方法があります。治療の進め方としては、身体への負担が少ない方法から段階的に行うのが一般的です。

では、治療方法ごとの特徴について見てみましょう。

塗り薬(外用薬)

多汗症の塗り薬としては、汗腺に蓋をして発汗を物理的に止める「塩化アルミニウム液」や、神経伝達物質であるアセチルコリンをブロックして発汗指令を抑える「抗コリン外用薬」があります。

抗コリン外用薬には、腋窩多汗症に処方されることがある「エクロックゲル」「ラピフォートワイプ」や、手掌多汗症に処方されることがある「アポハイドローション」といった種類があります。

ラピフォートワイプの購入はこちら
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飲み薬(内服薬)

全身の発汗を抑えたい場合や、外用薬だけでは十分な変化が得られない場合に、内服薬が処方されることもあります。また、内服薬には西洋薬と漢方薬があります。

西洋薬としては、神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを阻害し、全身の汗を抑制する抗コリン薬(プロバンサイン)が医師の判断によって処方されます。

漢方薬は、補助的な治療の一つです。例えば、「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」と呼ばれる漢方薬は、水分代謝を調整して発汗異常を整えるといったアプローチを行います。体質によっては選択肢になることがあり、他にも、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」などが用いられることがあります。

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注射療法(ボトックス)

ボトックス注射は、ボツリヌス菌が作る毒素を患部に注射し、汗を出す神経の働きを局所的に弱める注射です。個人差はあるものの、1回の注射で数ヶ月間効果が持続するため、日々のケアの手間を減らせます。

重度の腋窩多汗症の場合を除き、自費診療(自由診療)となるケースが多い治療法です。

医療機器・手術

医療機器を使用した施術には以下の2つがあります。

  • イオントフォレーシス(電気治療)
  • ミラドライ(マイクロ波治療)

まず、イオントフォレーシスは、微弱な電流を流した水に手や足を浸し、電流の作用で発汗を抑える治療法です。副作用がほとんどなく、手足の多汗に対して効果が期待できます。

ミラドライは、皮膚を切らずにマイクロ波を照射し、汗腺を熱によって破壊する治療です。長期的な効果が期待でき、傷跡も残りにくいという特徴があります。

手掌多汗症でどの治療を行っても十分な効果が得られなかった場合は、ETS手術(胸腔鏡下交感神経遮断術)が検討されることもあります。

ETS手術は、背骨の近くにある交感神経の一部を切断することで、発汗の指令を元から遮断します。手汗に対して長期的な効果が期待できる手術です。

一方で「代償性発汗」と呼ばれる現象が発生する可能性があります。ETS手術によって放熱効率の良い手のひらの発汗が止まるため、代わりに身体のほかの部分の発汗が増加すると考えられています。

多汗症の治療方法については、下記記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
多汗症の治療方法を徹底解説|種類別に特徴や適応部位を紹介

参考:
https://qa.dermatol.or.jp/qa32/q10.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/133/2/133_157/_pdf

多汗症でお悩みならオンライン診療サービス「med.」で相談

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多汗症でお悩みであれば、治療を受けることをおすすめしますが、「忙しくて病院に行けない」「汗のことを対面で相談するのは恥ずかしい」という方もいらっしゃるでしょう。

オンライン診療サービス「med.」なら、オンラインで診察から処方まで完了するので、手間がかからず忙しい方にもおすすめです。

med.の特徴について詳しく解説します。

自宅で診察から処方薬の受け取りまで完結

med.の利用の流れは、以下の通りです。

  1. 希望の薬をカートに追加
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このように自宅ですべて完結できるため、移動する必要がなく、待ち時間も最小限にできます。また、人に見られる可能性もないため、プライバシーに関する心配もありません。

なお、お薬は決済完了後すぐにヤマト運輸で発送手続きが行われます。当日15時までに決済が完了している場合は即日発送、15時以降に決済した場合は翌日発送です。(※ご注文受付状況、天候や年末年始などの配達状況により遅れが生じる場合もございます)

通院するよりもコストを抑えられる

med.では、診察料や処方料がかからず、薬代のみで処方薬を購入できます。(※1万円以下の場合は送料がかかります)また、通院する必要がないため、交通費も必要ありません。

オンライン診療実績が豊富な医師が土日祝日も23時まで診療

med.は「SBC湘南美容クリニック」と提携しており、医師が診察し、最適な処方を提案してくれます。また、オンラインでは不安な場合や、医師が必要だと判断した場合は、対面診察も受けられます。

また、土日祝日も診察を受けられ、9時~23時まで受診できるため、忙しい方も無理なく診察を受けられます。

なお、med.では多汗症に効果が期待できる西洋薬・漢方薬を取り揃えております。

多汗症の改善のためにどの薬を使用すべきかお悩みの場合も、医師にご相談ください。

まとめ

多汗症は、適切な治療によって改善が目指せる疾患です。

自分がどの分類に当てはまるのかを知り、重症度を確認した上で、医師と相談しながら自身に適した治療法を見つけていくことが大切です。まずは医師に相談するところから始めてみましょう。

この記事の監修医師

SBC湘南美容クリニック 医師

渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)

医薬品について

治療等の内容/治療等の期間及び費用

・防已黄耆湯を服用する多汗症治療薬です。(まずは3か月以上の服用をお試しください。

定期3か月¥18,444〜(税込) )

・補中益気湯を服用する多汗症治療薬です。(まずは3か月以上の服用をお試しください。

3か月¥35,100〜(税込))

・グリコピロニウムトシル酸塩水和物を使用する原発性腋窩多汗症治療薬です。(¥6,800/14枚〜)

・オキシブチニン塩酸塩を使用する原発性手掌多汗症治療薬です。(¥4,900/1本〜)

※効果が実感できるまでには継続的な服用が必要であり、その期間にも個人差がございます。

副作用

・防已黄耆湯の主な副作用として、発疹、かゆみ、不眠、発汗過多、頻脈、動悸、食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、軟便、下痢、排尿障害などが報告されています。

・補中益気湯の主な副作用として、発疹、蕁麻疹、食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢などが報告されています。

・ラピフォートワイプの主な副作用として、まぶしい、瞳孔(ひとみ)の拡大、眼がかすむ、眼が乾く、尿が出にくい、尿の回数が多い、口が乾く、肌のかぶれ、体温調節障害(発汗低下による熱中症リスク)などが報告されています。

・アポハイドローションの主な副作用として、適用部位皮膚炎、適用部位そう痒感、適用部位湿疹、皮脂欠乏症、口渇が報告されています。

お問い合わせ先

お問い合わせはmed.カスタマーサポートまで。