SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)

「手汗で紙が濡れてしまう」
「スマートフォンが反応しない」
「握手をためらってしまう」
このように、手汗の悩みは周囲に相談しづらく、日常生活においても心理的な負担となることがあります。手のひらの過剰な発汗は「手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)」と呼ばれ、医学的な治療の対象となります。
また、近年では手掌多汗症を対象とした外用薬が承認されるなど、治療の選択肢が広がっています。
手掌多汗症は、精神的な緊張やストレスが引き金となって発汗する傾向がありますが、必ずしも本人の性格や気の持ちようによるものではありません。適切な診断を受けて治療を受けることで、日々の不便を和らげられるでしょう。
この記事では、手掌多汗症の具体的な症状やセルフチェック方法から、治療方法ごとの特徴まで解説しています。手汗でお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。

手掌多汗症は、手のひらから日常生活に支障をきたすほどの汗が出る疾患です。この発汗は、自律神経の一つである交感神経が過剰に反応することによって引き起こされると考えられています。
主な特徴として、精神的な緊張を感じた際に多量の発汗が見られ、重症の場合には手のひらから汗がしたたり落ちるほどの状態になることもあります。また、手のひらが絶えず湿っているために皮膚が冷たく感じられることもあります。
一方で、睡眠中は発汗が止まる(または少なくなる)ことが多いとされています。
手掌多汗症は、脇など他の局所性多汗症の中でも比較的自覚される時期が早く、小学校の入学前後から症状が出始めることもあります。
季節による症状の変化もあり、気温の上昇に伴って汗の量が増える夏に症状が強く現れ、冬には落ち着く傾向がみられることがあります(環境温度や自律神経の影響などが関与すると考えられます)。
ただし重症の場合は、季節を問わず通年で症状が見られることもあります。
手掌多汗症では、手汗そのものだけでなく、それに伴う二次的な症状が現れることもあります。
まず、多くの人に見られるのが手の冷えです。これは、発汗を促す神経とともに血管を収縮させる神経も興奮し、血管の収縮や汗の気化熱などが影響し、手の温度が下がりやすくなると考えられています。
また、手のひらが絶えず湿った環境にあることで、皮膚トラブルも生じやすくなります。あせも(汗疹)や指先の皮むけといった症状のほか、水虫(白癬)やイボ(疣贅)などの感染症を併発しやすい傾向があるため、注意が必要です。
以下の前提条件を満たし、かつチェックリストの項目を確認することで、手掌多汗症の可能性があるかどうかを把握できます。
【前提条件】
▼チェックリスト
2項目以上当てはまる場合は、原因が特定できない「原発性(げんぱつせい)」の手掌多汗症である可能性があります。何らかの病気や薬が原因で起こる「続発性(ぞくはつせい)」とは異なり、体質的な要素や神経の働きが関与していると考えられます。
なお、続発性多汗症の場合は、原因となる疾患の治療や薬の調整などが優先されます。
参考:
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/takansho2023.pdf
https://www.hisamitsu.co.jp/tenoase/checksheet/

手掌多汗症の治療は、症状や患者の希望に合わせて医師が判断し、段階的に進めていきます。「原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023 年改訂版」によると、治療は以下のような流れで検討されます。

| 治療ステップ | 治療方法 |
| 第1選択 |
・「塩化アルミニウム外用薬」や「水道水イオントフォレーシス」など、身体の外からアプローチできる治療から開始する
・効果に応じて切り替えや併用を検討する |
| 第2選択 | 第1選択で効果が不十分な場合、「抗コリン内服薬(プロバンサインなど)」や「ボトックス注射」を検討する |
| 第3選択 | 症状をコントロールする治療では十分な改善が見られず、本人の強い希望がある場合に限り「ETS手術(交感神経遮断術)」が検討されることがある |
では、次章から手掌多汗症の治療方法について詳しく解説します。

塗り薬は、ガイドラインにもあるように、最初に検討される治療方法です。塗り薬の種類ごとに特徴を解説します。
塩化アルミニウム液は、汗腺の出口に蓋をすることで物理的に発汗を抑える多汗症の代表的な治療法です。手、足、脇などに用いられます(頭皮などは刺激に注意が必要です)。
ただし、薬剤の濃度が高い場合には、皮膚への刺激やかゆみが生じることがあります。
アポハイドローションは、2023年に手掌多汗症を対象として承認された外用薬です。皮膚から成分が浸透し、発汗に関わるアセチルコリンの働きを抑えることで発汗を抑制します。
1日1回、就寝前に手のひらに塗布し、翌朝に洗い流すという手順で使用します。
副作用として塗布部位の刺激や、口の渇きなどの抗コリン症状が現れることがあります。
アポハイドローションの購入はこちら
参考:https://qa.dermatol.or.jp/qa32/q08.html

塗り薬による対策が難しい場合や、さらに高い効果を求める場合には、物理的な療法や内服薬が用いられることもあります。
微弱な電流を流した水道水に、両手を20〜30分程度浸す治療法です。電流の作用で発汗が抑えられると考えられており、継続することで効果が期待できます。
欧米でも一般的に行われている方法ですが、効果を維持するためには週に1〜2回程度の通院が必要となります。中断すると効果が徐々に薄れていくため、継続的な通院が前提となります。
外用薬だけでは十分な変化が得られない場合に、「抗コリン薬(プロバンサイン)」という飲み薬が処方されることがあります。アセチルコリンの働きを抑えることで、発汗を抑制する薬です。手だけでなく全身の発汗に影響することがあります。
また、補助的な治療として漢方薬が処方されることもあります。漢方薬のうち、例えば、「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」と呼ばれる漢方薬は、体内から水分代謝を調整し、発汗異常を整えるといった効果が期待できます。体質に合う場合には有効な方法です。
他にも、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」などが用いられることがあります。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)の購入はこちら
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)の購入はこちら
参考:
https://qa.dermatol.or.jp/qa32/q10.html
https://qa.dermatol.or.jp/qa32/q13.html

塗り薬や内服薬、電気治療などの症状をコントロールする治療(保存的治療)で期待する変化が得られない場合には、神経に直接働きかける処置や外科的なアプローチが検討されます。
ボツリヌス菌が作る毒素を手のひらに注射し、汗を出す神経の働きを局所的に弱めます。効果は数ヶ月持続しますが、手のひらへの注射は痛みを伴うことが多く、一時的に握力の低下が見られるリスクがあります。
また、効果は永続的ではないため、定期的な再注射が必要です。
ETS手術は、背骨の近くにある交感神経の一部を切断することで、発汗の指令を元から遮断します。手汗に対して長期的な効果が期待できます。
一方で「代償性発汗」と呼ばれる現象が発生する可能性があります。ETS手術によって放熱効率の良い手のひらの発汗が止まるため、代わりに身体のほかの部分の発汗が増加すると考えられています。
参考:
https://qa.dermatol.or.jp/qa32/q11.html
https://qa.dermatol.or.jp/qa32/q12.html

手汗にお悩みであれば、治療を受けることをおすすめします。しかし、「忙しくて病院に行けない」「汗のことを対面で相談するのは恥ずかしい」という方もいらっしゃるでしょう。
オンライン診療サービス「med.」なら、オンラインで診察から処方まで完了するので、手間がかからず忙しい方にもおすすめです。
med.の特徴について詳しく解説します。
med.の利用の流れは、以下の通りです。
このように自宅ですべて完結できるため、移動する必要がなく、待ち時間も最小限にできます。また、人に見られる可能性もないため、プライバシーに関する心配もありません。
なお、お薬は決済完了後すぐにヤマト運輸で発送手続きが行われます。当日15時までに決済が完了している場合は即日発送、15時以降に決済した場合は翌日発送です。(※ご注文受付状況、天候や年末年始などの配達状況により遅れが生じる場合もございます)
med.では、診察料や処方料がかからず、薬代のみで処方薬を購入できます。(※1万円以下の場合は送料がかかります)また、通院する必要がないため、交通費も必要ありません。

med.は「SBC湘南美容クリニック」と提携しており、医師が診察し、最適な処方を提案してくれます。また、オンラインでは不安な場合や、医師が必要だと判断した場合は、対面診察も受けられます。
また、土日祝日も診察を受けられ、9時~23時まで受診できるため、忙しい方も無理なく診察を受けられます。

なお、med.では多汗症に効果が期待できる西洋薬・漢方薬を取り揃えております。
手汗や多汗症改善のためにどの薬を使用すべきかお悩みの場合も、医師にご相談ください。
手汗は隠すことが難しく、紙が濡れる、握手をする際に困るなど、日常生活にも支障をきたしやすいという特徴があります。生活に支障が出るほどの手汗は「手掌多汗症」といい、適切な医療によってコントロールできる可能性があります。
治療の進め方は、身体への負担が少ない塗り薬から始まり、必要に応じて専門的な処置へと段階的にステップアップしていきます。まずは自分の症状がどの程度であるかを把握し、医師と相談しながら治療を進めていきましょう。
SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)
・オキシブチニン塩酸塩を使用する原発性手掌多汗症治療薬です。(¥4,900/1本〜)
治療等の内容/治療等の期間及び費用
・防已黄耆湯を服用する多汗症治療薬です。(まずは3か月以上の服用をお試しください。
定期3か月¥18,444〜(税込) )
・補中益気湯を服用する多汗症治療薬です。(まずは3か月以上の服用をお試しください。
3か月¥35,100〜(税込))
・グリコピロニウムトシル酸塩水和物を使用する原発性腋窩多汗症治療薬です。(¥6,800/14枚〜)
※効果が実感できるまでには継続的な服用が必要であり、その期間にも個人差がございます。
副作用
・アポハイドローションの主な副作用として、適用部位皮膚炎、適用部位そう痒感、適用部位湿疹、皮脂欠乏症、口渇が報告されています。
・防已黄耆湯の主な副作用として、発疹、かゆみ、不眠、発汗過多、頻脈、動悸、食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、軟便、下痢、排尿障害などが報告されています。
・補中益気湯の主な副作用として、発疹、蕁麻疹、食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢などが報告されています。
・ラピフォートワイプの主な副作用として、まぶしい、瞳孔(ひとみ)の拡大、眼がかすむ、眼が乾く、尿が出にくい、尿の回数が多い、口が乾く、肌のかぶれ、体温調節障害(発汗低下による熱中症リスク)などが報告されています。
お問い合わせ先
お問い合わせはmed.カスタマーサポートまで。