SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)

「服の汗染みが気になって腕を上げられない」
「汗のニオイが周囲に届いていないか不安になる」
このような脇汗に関する悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。脇は体温調節だけでなく、緊張やストレスに加え、食事の刺激で発汗が増えると感じる方もいる部位であるため、他の部位に比べて発汗が目立ちやすい性質を持っています。
脇汗の対策は、衣類の選び方や日々の清潔ケアといったセルフケアから、医療機関で処方される薬を用いた治療まで多岐にわたります。自分の症状がどの程度の頻度や量で起きているのかを把握し、適切な対策を取り入れることで、日常生活の不便を軽減できる可能性があります。
この記事では、脇汗が出るメカニズムやニオイが発生する仕組みを解説し、日常生活で実践できる具体的な対策から医療機関での治療法まで網羅的に紹介します。脇汗にお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。

脇汗が他の部位よりも気になりやすいのは、脇の下が複数の発汗要因が重なり合う特殊な場所であるためです。まずは、どのような状況で脇汗のスイッチが入るのか、そのメカニズムについて詳しく見てみましょう。
脇の下で発汗が促される要因には、主に「精神性発汗」「温熱性発汗」「味覚性発汗」の3つがあります。
精神性発汗とは、ストレスや緊張、不安などを感じた際に交感神経が刺激されて起こる発汗で、脇汗の最大の要因とされています。特に「失敗できない」というプレッシャーがさらなる発汗を招く「予期不安(悪循環)」に陥りやすいのが大きな特徴です。
温熱性発汗とは、暑い時や運動時に、上昇した体温を下げるために出る汗です。
そして味覚性発汗とは、辛いものや酸っぱいものを食べた際に反射的に出る汗を指します。主に顔や頭部にみられますが、体質によっては脇の発汗が増えると感じる人もいます。
脇の下はこれら3つの発汗すべてが起こる部位であり、他の場所に比べて汗が出やすい条件が揃っており、それほど体温が高くなくても汗が出はじめるという性質もあります。
さらに、腕で塞がれて汗が蒸発しにくい部位であるため、実際の発汗量は多くなくても、本人にとっては「たくさん汗をかいた」と認識されやすいという特徴もあります。
汗によるニオイは、皮膚の状態と密接に関係しています。
実は、分泌された直後の汗は本来ほぼ無臭です。しかし、皮膚に存在する常在菌が汗や皮脂を分解することで、特有のニオイが発生するのです。
特に脇の下は、多汗によって湿った状態が続きやすく、細菌が繁殖するのに適した環境が整っています。そのため、発汗を抑えることは、雑菌の繁殖を抑えることにもつながり、ニオイ対策に役立ちます。
冬場の脇汗には季節特有の注意点があります。
冬は汗をかく機会が減りやすく、ベタつきやニオイを感じやすくなることがあります。
さらに、ヒートテックなどの機能性インナーや厚手のニットなどを重ね着することで、脇の下の温度と湿度が保たれます。それにより、雑菌にとって好条件の環境が作られてしまうのです。
また、寒い屋外から暖房の効いた室内へ入った際の急激な温度変化も、急な発汗を招く要因となります。
参考:
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/takansho2023.pdf
https://www.nikkei.com/nstyle-article/DGXMZO12707430Z00C17A2000000/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000004364.html

脇汗のニオイを抑えるための最も基本的な対策は、肌を常に清潔で乾燥した状態に保つことです。細菌の増殖を物理的に防ぐ習慣を身につけることが、ニオイの発生を未然に防ぐことにつながります。
汗をかいた後は、放置せずに拭き取ることが大切です。
理想的なのはシャワーで洗い流すことですが、外出先ではアルコール綿や除菌シートを用いてこまめに拭き取るようにしましょう。肌が弱い方の場合はアルコール成分による刺激に注意が必要なため、ノンアルコールタイプのウェットティッシュや、水で濡らして固く絞ったタオル、ガーゼなどを使用することをおすすめします。
汗だけでなく、皮膚に残った皮脂や垢も雑菌の繁殖を促すエサとなるため、これらを定期的に除去して肌を清潔に保つことが、ニオイ対策をする上で重要です。皮脂や細菌が少ない状態で制汗剤を使用することで、効果が発揮されやすくなります。
脇の下を常に乾燥した状態に保つ意識を持つことで、細菌の定着と増殖を防ぐことができます。湿った状態が続くと細菌が急激に増えるため、入浴後などはタオルで水分を完全に拭き取り、通気性の良い環境を整えることが重要です。
日常生活においても、脇の下に空気が通りやすいような姿勢や服装を意識することで、湿気がこもるのを防ぎ、菌の繁殖を抑制する効果が期待できます。

セルフケアの次の段階として、衣類の選択や洗濯方法を工夫することで、汗染みを目立たなくさせたり、染み付いたニオイを除去したりする対策があります。
衣類の色や素材を慎重に選ぶことで、視覚的な汗染みの悩みを軽減できます。
白、黒、ネイビーといった色は汗染みが目立ちにくい一方で、グレー、ベージュ、カーキといった中間色は水分による変色が分かりやすいため、避けることをおすすめします。素材については、吸水速乾性の高いポリエステルやメッシュ素材のインナーを活用すると、汗が素早く乾き、不快感を抑えられるでしょう。
また、脇に密着しすぎないゆったりとしたシルエットの服を選ぶことも、通気性を確保する上で有効です。
汗が服に直接染み出すのを防ぐための補助グッズを活用するのも一つの方法です。
使い捨てタイプの汗脇パッドを使用する場合は、衛生面を保つためにこまめに交換することが大切です。濡れたまま放置すると、パッド内で菌が繁殖し、かえってニオイの原因となる可能性があります。
また、最近では脇汗パッドが一体化されたインナーも普及しています。そのようなインナーを使用することで、位置のズレを防ぎつつ広範囲をカバーできるというメリットがあります。
脇汗のニオイが気になる場合は、洗濯方法にも注意しましょう。一度衣類に染み付いてしまったニオイ菌は、通常の洗濯だけでは完全に除去できない場合があるからです。
脇汗のニオイをしっかり落としたい場合は、酸素系漂白剤を用いた「つけ置き洗い」がおすすめです。40℃程度のお湯に適量の酸素系漂白剤(粉末または液体)を溶かし、30分から1時間ほど浸してから通常通り洗濯することで、繊維の奥に残った菌やニオイ成分を除去・低減できます。
ただし、シルクやウールといったデリケートな素材には使用できない場合があるため、必ず洗濯表示を確認してから行いましょう。
参考:
https://www.descente.co.jp/media/editors_picks/feature/21849/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/70/1/70_42/_pdf
https://www.cleaning-okumura.jp/column/2148/

脇汗の量や質は、日々の生活習慣や体質の影響を大きく受けます。内側からアプローチすることで、汗をかきにくい状態や、ニオイが出にくい「良い汗」をかける体質を目指しましょう。
日頃から汗をかく習慣がないと、汗腺の機能が衰え、ミネラルを多く含んだニオイの強い汗になりやすいと言われています。
ウォーキングやジョギングといった適度な有酸素運動を習慣化したり、湯船に浸かってしっかり発汗したりすることで、汗腺の働きが整い、ミネラルを過剰に含まない汗をかきやすくなるとされています。
これにより、水に近い「サラサラとした良い汗」をかけるようになり、結果としてニオイの発生を抑えることにつながります。
これは汗の量そのものを減らすための対策ではなく、汗の質を改善するための対策です。汗のニオイが気になる方は取り入れてみてください。
食事の内容も、発汗の頻度や汗のニオイに影響を与えます。
辛いものに含まれるカプサイシンや熱いスープは、交感神経を刺激して発汗を促すため、人前に出るような大切な場面の前は控えることをおすすめします。また、動物性脂質は皮脂の分泌を増やし、それが常在菌に分解されることで独特の強いニオイを発する原因になるため、摂りすぎに注意しましょう。
栄養バランスを整え、脂質を抑えた食事を心がけることが、体臭の管理に役立ちます。
精神性発汗をコントロールするためには、自律神経のバランスを安定させることが欠かせません。
十分な睡眠を確保し、リラックスできる時間を持つことで、交感神経の過剰な興奮を鎮められます。また、緊張を感じる場面では深呼吸やマインドフルネスを取り入れ、落ち着きを取り戻すことで、突発的な発汗を和らげる効果が期待できます。
漢方薬を補助的に用いることで、例えば、体の内側から水分代謝を整えるアプローチを行うことが可能です。
多汗症に対しては、以下の漢方薬が処方されることがあります。
ただし、漢方薬は個人の体質(証)によって合う・合わないが大きく異なるため、医師に相談して処方してもらうことをおすすめします。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)の購入はこちら
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)の購入はこちら
参考:
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/84.html
https://www.taisho-kenko.com/disease/638/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnkm/8/1/8_07/_pdf/-char/ja

セルフケアや生活習慣の改善だけでは十分な変化が得られない場合は、医療機関での治療を検討しましょう。
医療機関では、薬による治療を受けることができます。
代表的なものとして、交感神経からの発汗指令をブロックする「抗コリン外用薬」があります。腋窩多汗症(脇の多汗症)に処方されるものには、「エクロックゲル」やシートタイプの「ラピフォートワイプ」などがあります。
また、汗腺に物理的な蓋をする「塩化アルミニウム液」の使用も一般的な治療法です。
ラピフォートワイプの購入はこちら
腋窩多汗症については、下記記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
腋窩多汗症(脇汗)の治療を徹底解説!薬から手術まで紹介
脇汗の量に悩む方には、ボトックス注射も検討しましょう。
ボトックス注射は、脇の下に直接薬剤を注射し、汗を出す神経の働きを局所的に弱める治療です。1回の処置で数ヶ月の効果持続が期待できます。
原発性腋窩多汗症(※)と診断され、重症度基準を満たす場合には、健康保険が適用されます。
※原発性腋窩多汗症:病気や薬といった原因が特定できない腋窩多汗症のこと
参考:
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/takansho2023.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishinihonhifu/66/1/66_1_53/_article/-char/ja

脇汗にお悩みであれば、治療を受けることをおすすめします。しかし、「忙しくて病院に行けない」「汗のことを対面で相談するのは恥ずかしい」という方もいらっしゃるでしょう。
オンライン診療サービス「med.」なら、オンラインで診察から処方まで完了するので、手間がかからず忙しい方にもおすすめです。
med.の特徴について詳しく解説します。
med.の利用の流れは、以下の通りです。
このように自宅ですべて完結できるため、移動する必要がなく、待ち時間も最小限にできます。また、人に見られる可能性もないため、プライバシーに関する心配もありません。
なお、お薬は決済完了後すぐにヤマト運輸で発送手続きが行われます。当日15時までに決済が完了している場合は即日発送、15時以降に決済した場合は翌日発送です。(※ご注文受付状況、天候や年末年始などの配達状況により遅れが生じる場合もございます)
med.では、診察料や処方料がかからず、薬代のみで処方薬を購入できます。(※1万円以下の場合は送料がかかります)また、通院する必要がないため、交通費も必要ありません。

med.は「SBC湘南美容クリニック」と提携しており、医師が診察し、最適な処方を提案してくれます。また、オンラインでは不安な場合や、医師が必要だと判断した場合は、対面診察も受けられます。
また、土日祝日も診察を受けられ、9時~23時まで受診できるため、忙しい方も無理なく診察を受けられます。

なお、med.では脇汗に効果が期待できる西洋薬・漢方薬を取り揃えております。
脇汗改善のためにどの薬を使用すべきかお悩みの場合も、医師にご相談ください。
過剰な脇汗やそのニオイに対する悩みは、適切なケアや治療によってコントロールできる可能性があります。
脇汗のメカニズムを理解した上で、衣類の工夫や生活習慣の見直しといったセルフケアを積み重ねることで、不快感や心理的な負担を軽減できます。
それでも改善が見られない場合や、日常生活に頻繁に支障をきたしている場合は、医療機関での治療を検討しましょう。薬や注射など、現在の医学には多汗症状の改善が期待できる選択肢があります。
自分でのケアに限界を感じたら、医師に相談してみましょう。
SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)
治療等の内容/治療等の期間及び費用
・グリコピロニウムトシル酸塩水和物を使用する原発性腋窩多汗症治療薬です。(¥6,800/14枚〜)
・防已黄耆湯を服用する多汗症治療薬です。(まずは3か月以上の服用をお試しください。
定期3か月¥18,444〜(税込) )
・補中益気湯を服用する多汗症治療薬です。(まずは3か月以上の服用をお試しください。
3か月¥35,100〜(税込))
※効果が実感できるまでには継続的な服用が必要であり、その期間にも個人差がございます。
副作用
・ラピフォートワイプの主な副作用として、まぶしい、瞳孔(ひとみ)の拡大、眼がかすむ、眼が乾く、尿が出にくい、尿の回数が多い、口が乾く、肌のかぶれ、体温調節障害(発汗低下による熱中症リスク)などが報告されています。
・防已黄耆湯の主な副作用として、発疹、かゆみ、不眠、発汗過多、頻脈、動悸、食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、軟便、下痢、排尿障害などが報告されています。
・補中益気湯の主な副作用として、発疹、蕁麻疹、食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢などが報告されています。
お問い合わせ先
お問い合わせはmed.カスタマーサポートまで。