SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)

ピルは、かつては主に「避妊薬」としてのイメージが強くありましたが、現在では、月経困難症やPMS(月経前症候群)、さらには特定のがん予防に至るまで、多岐にわたるメリットをもたらす薬として認識されています。
特に、月経に伴うつらい症状に悩む女性にとって、ピルは日常生活の質を大きく改善するために役立ちます。
この記事では、ピルが持つ「避妊」という主作用だけでなく、「PMS改善」や「疾患の予防」といった副次的な効果を徹底的に解説します。ピルを飲むことでどのようなメリットがあるのかをしっかりと把握したい方は、ぜひ最後までお読みください。

望まない妊娠をできる限り防ぎたい場合、ピルは他の避妊法と比べても高い避妊効果が期待できます。なぜなら、ピルはコンドームなど他の一時的な避妊法と比べると、避妊成功率が高いという特徴があるからです。
避妊の確実性を示す指標として「パール指数(Pearl Index)」があります。これは、ある避妊法を1年間続けた女性100人のうち、妊娠した人数を示す数値です。この数値が低いほど、避妊の成功率が高いことを意味します。
▼正しく服用/使用した場合(理論的失敗率)
0.3%
▼一般的な服用/使用の場合(実際的失敗率)
7.0%
▼正しく服用/使用した場合(理論的失敗率)
2.0%
▼一般的な服用/使用の場合(実際的失敗率)
13.0%
▼正しく服用/使用した場合(理論的失敗率)
0.6%
▼一般的な服用/使用の場合(実際的失敗率)
0.8%
▼正しく服用/使用した場合(理論的失敗率)
0.5%
▼一般的な服用/使用の場合(実際的失敗率)
0.7%
ピルを正しく服用していれば、このように高い避妊効果が継続します。
ピルの効果を最大限に発揮するためには、正しい服用タイミングと継続が不可欠です。
ピルを月経が始まった日(Day1)から飲み始めた場合、避妊効果は即日発現します。しかし、Day1以外から飲み始めた場合は、ホルモン濃度が安定するまでの7日間は、コンドームなどの他の避妊法を併用する必要があります。
また、ピルは毎日決まった時間に飲むことで体内のホルモン濃度を一定に保ち、避妊効果を発揮します。飲み忘れがあると、ホルモン濃度が急激に低下し、避妊効果が失われるリスクが高まるため、注意が必要です。
特に休薬期間明け(新しいシートの開始時)の飲み忘れは、妊娠リスクが最も高まります。
ピルの服用を中止すると、体は元のホルモンバランスに戻り、1〜3ヶ月で月経と排卵機能が回復し、多くの人は自然妊娠が可能になります。一部では「中止後はリバウンド効果によって妊娠しやすくなる」と言われることもありますが、医学的には「元の妊娠しやすさに戻る」と考えられています。
ピルの飲み方については、下記記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
ピルの飲み方ガイド|タイミングや生理のずらし方・飲み忘れについて解説
参考:
https://www.ncchd.go.jp/kusuri/news_med/keikaku_ninshin.pdf
https://www.youth-healthcare.metro.tokyo.lg.jp/story/1052

ピルは避妊目的だけでなく、月経困難症や子宮内膜症などの治療を目的としたLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)としても使われています。ピルがもたらす副次的な効果のうち、最も多くの女性の助けとなるのが、月経トラブルの改善効果です。
では、月経トラブルの改善効果について、より具体的に解説します。
生理痛の主な原因は、子宮内膜から過剰に分泌される「プロスタグランジン」という物質です。この物質が子宮を強く収縮させることで、下腹部や腰の痛み(生理痛)が発生します。
ピルを服用すると、子宮内膜の増殖が抑制され、その結果、生理痛の原因物質であるプロスタグランジンの生成量も大幅に減少します。これにより、子宮の過剰な収縮が抑えられ、痛みが軽くなる仕組みです。
痛みのレベル(軽度/重度)にかかわらず改善効果が期待でき、特に月経困難症と診断された場合は、LEP(治療用ピル)として保険適用で治療を受けられます。
PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)の主な原因は、月経前の急激なホルモン変動に対する体の過敏な反応です。ピルを服用することで、体内のホルモン濃度が安定的に保たれ、この急激な変動が抑えられます。
これにより、イライラ、抑うつ、不安といった精神的な症状や、乳房の張り、頭痛、腹部膨満感といった身体的な症状の軽減が期待できます。
ピルは子宮内膜の増殖を抑制するため、剥がれ落ちる内膜の量が減り、結果として経血量が大幅に減少します。過多月経が改善されることで、それに伴う鉄欠乏性貧血の予防・改善にもつながります。
また、ピルは服用を続けた期間の後に消退出血を起こさせるため、月経周期を安定化できます。これにより、旅行や仕事などのスケジュール管理がしやすくなるメリットがあります。
参考:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/28/2/28_176/_pdf/-char/ja

ピルの服用により月経周期をコントロールできるため、月経移動(生理をずらすこと)の手段として活用されます。月経移動には、低用量ピルを服用していない人が使う「中用量ピル」と、すでに服用している人が使う「低用量ピル」の2つの方法があります。
ただし、どのピルが適しているかや実際の服用方法は人によって異なるので、医師や薬剤師に相談することが大切です。
生理を遅らせる場合は、休薬期間を設けず、次のシートの実薬を飲み続け、生理を避けたい日まで服用を延長します。服用中止後2〜3日で消退出血が来ることを予測し、移動させたい最終日を決めておきましょう。遅らせられる期間は通常10日〜2週間程度が目安です。
参考:
https://www.athlab.ritsumei.ac.jp/learning/learning-2145
https://www.jpnsport.go.jp/Portals/0/HMFAver3.pdf
https://female-sport.jpnsport.go.jp/article/529

ピルは婦人科系疾患の治療や、将来的ながんリスクの低減にも関わることが、多くの研究で示されています。
子宮内膜症や子宮腺筋症は、子宮内膜組織が子宮内腔以外の場所にできることで炎症や痛みを引き起こします。ピルを服用することで内膜の増殖が抑制されるため、病巣の活動が抑えられ、進行を遅らせたり、痛みを緩和したりする効果があります。
また、排卵回数が多いほど卵巣がんのリスクが高まると考えられていますが、ピルは排卵を止めることで、卵巣がんのリスクを低減することが示されています。良性の乳房疾患(乳腺症、乳腺線維腺腫など)の発症リスクを減らす効果も報告されています。
このように、ピルは多くの婦人科系疾患を予防・改善する効果が期待できるのです。
参考:
https://www.cc.okayama-u.ac.jp/funin/custom42.html
https://ksm.tokyo-med.ac.jp/_userdata/images/_pdf/kouhou/hohoemi/No76.pdf
https://www.mhlw.go.jp/www1/houdou/1106/h0602-3_a_15.html

ピルは直接的な婦人科系の効果だけでなく、女性ホルモンを安定させることで美容面や精神面にも良い影響をもたらします。
ピルに含まれる女性ホルモンは、ニキビや多毛症の原因となる男性ホルモン(アンドロゲン)の作用を抑制する働きがあります。これにより、肌の皮脂分泌が抑えられ、ニキビの改善や、体毛が濃くなる症状の改善に効果が期待できます。
また、ピルを服用することでホルモンバランスが安定し、急激な変動がなくなるため、精神的なメリットも生まれます。PMSやPMDDの改善はもちろんのこと、気分の落ち込みや情緒不安定といった症状が軽減され、精神的に安定しやすくなります。

ピルはメリットが多い一方で、医薬品である以上、副作用や禁忌事項(服用してはいけない条件)について正しく理解しておくことが不可欠です。
副作用が比較的少ない低用量ピルでも、飲み始めには以下のような軽度の副作用が起こることがあります。
これらの副作用は、体がホルモン環境に慣れるにつれて、通常2~3周期(約2~3ヶ月)ほどで自然に消失することがほとんどです。症状が続く場合は、医師に相談しましょう。
また、ピル服用で最も注意が必要なのが血栓症です。ピルに含まれるエストロゲンにより血液が固まりやすくなるため、血管内に血栓ができ、血管を詰まらせるリスクがあります。
低用量ピルではリスクは大幅に減少していますが、以下の初期症状が見られた場合は、すぐに服用を中止し、医療機関を受診してください。
血栓症などの重篤な副作用のリスクを高めてしまうため、以下のような方はピルを服用できない可能性が高くなります。
ただし、エストロゲンを含まないミニピルは血栓症のリスクが低いため、上記の禁忌とされる範囲が他のピルよりも狭くなります。詳しくは、医師に相談してみましょう。
参考:
https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/yakuzai/data/54.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/joma/119/3/119_3_315/_pdf

ピルは継続的に服用する必要があるため、クリニックに通う必要があります。しかし、周囲に婦人科・産婦人科がなかったり、受診する時間がない方もいらっしゃるでしょう。
オンライン診療サービス「med.」なら、オンラインで診察から処方まで完了するので、手間がかからず忙しい方にもおすすめです。
med.の特徴について詳しく解説します。
med.の利用の流れは、以下の通りです。
このように自宅ですべて完結できるため、移動する必要がなく、待ち時間も最小限にできます。また、人に見られる可能性もないため、プライバシーに関する心配もありません。
なお、お薬は決済完了後すぐにヤマト運輸で発送手続きが行われます。当日15時までに決済が完了している場合は即日発送、15時以降に決済した場合は翌日発送です。(※ご注文受付状況、天候や年末年始などの配達状況により遅れが生じる場合もございます)
med.では、診察料や処方料がかからず、薬代のみで処方薬を購入できます(※薬代が1万円以下の場合は550円の送料がかかります)。また、通院する必要がないため、交通費も必要ありません。

med.は「SBC湘南美容クリニック」と提携しており、医師が診察し、最適な処方を提案してくれます。また、オンラインでは不安な場合や、医師が必要だと判断した場合は、対面診察も受けられます。
また、土日祝日も診察が受けられ、9時~23時まで受診できるため、忙しい方も無理なく診察を受けられます。

なお、med.では以下のように中用量・低用量・超低用量・ミニピルを複数取り揃えております。
どの種類が自分に合いそうかわからない場合も、医師にご相談ください。
ピルは、高い避妊成功率だけでなく、月経困難症やPMS・PMDDの症状緩和、生理日移動、子宮内膜症や特定のがんリスク低減など、女性の健康と生活の質を向上させる多様なメリット(副次的な効果)があります。
ただし、ピルの効果を持続させるには、正しい飲み方と継続的な服用が不可欠です。また、副作用や禁忌事項について正しく理解し、特に喫煙習慣や持病がある方は、必ず医師に相談し指導を受けることが重要です。
SBC湘南美容クリニック 医師
渡邉大洋(わたなべ ひろうみ)
治療等の内容/治療等の期間及び費用
・ノルゲストレル、エチニルエストラジオールを服用する月経移動・月経困難症治療です。¥4,980〜(税込)/1か月
・レボノルゲストレル、エチニルエストラジオールを服用する避妊治療です。まずは3か月以上の服用をお試しください。¥10,518〜(税込)/3か月
・デソゲストレル、エチニルエストラジオールを服用する避妊治療です。まずは3か月以上の服用をお試しください。¥10,518〜(税込)/3か月
・レボノルゲストレル、エチニルエストラジオールを服用する避妊治療です。まずは3か月以上の服用をお試しください。¥10,518〜(税込)/3か月
・ドロスピレノン、エチニルエストラジオールを服用する月経困難症治療です。まずは5か月以上の服用をお試しください。¥68,750〜(税込)/5か月
・ドロスピレノン、エチニルエストラジオールを服用する月経困難症治療です。まずは3か月以上の服用をお試しください。¥14,940〜(税込)/3か月
・ノルエチステロン、エチニルエストラジオールを服用する月経困難症治療です。まずは3か月以上の服用をお試し下さい。¥11,647〜(税込)/3か月
・ジエノゲストを服用する月経困難症の治療です。1か月¥7,112〜12ヶ月¥72,576(税込)
※効果が実感できるまでには継続的な服用が必要であり、その期間にも個人差がございます。
副作用
・プラノバールの主な副作用として、血栓症、吐き気や嘔吐、食欲不振、眠気、肌荒れ(ニキビや色素沈着)などが報告されています。
・アンジュの主な副作用として、不正子宮出血、乳房痛、吐き気、嘔吐、頭痛などの報告があります。
・マーベロン、ファボワールの主な副作用として、吐き気・嘔吐、乳房痛、頭痛、不正性器出血、倦怠感、下痢、腹痛、月経過多、発疹、浮腫、黄疸、視力障害などの報告があります。
・トリキュラー、ラベルフィーユの主な副作用として、軽度の吐き気、乳房の張り、軽度の出血などの報告があります。
・ヤーズフレックス配合錠の主な副作用として、頭痛、吐き気、不正性器出血、月経痛、下腹部痛などの報告があります。
・ドロエチ配合錠の主な副作用として、頭痛、吐き気、不正性器出血、月経痛、下腹部痛などの報告があります。
・ルナベル配合錠、フリウェルULDの主な副作用として、不正出血、吐き気、頭痛などの報告があります。
・ジエノゲストの主な副作用として、不正出血、ほてり、頭痛、吐き気、不正出血の持続による外陰部のかぶれ・かゆみ、発疹、貧血、倦怠感などが報告されています。
成分の承認について
・ノルゲストレル、エチニルエストラジオールの『月経移動』は添付文書に記載のない適応外使用を指します。
・レボノルゲストレル、エチニルエストラジオールの月経困難症治療は添付文書に記載のない適応外使用を指します。
・デソゲストレル、エチニルエストラジオールのニキビ改善、PMS、月経困難症の治療は添付文書に記載のない適応外使用を指します。
・レボノルゲストレル、エチニルエストラジオールの『 PMS、月経困難症治療』は添付文書に記載のない適応外使用を指します。
・ドロスピレノン、エチニルエストラジオールの『 PMS、過多月経、子宮内膜症の予防・改善』は添付文書に記載のない適応外使用を指します。
・ドロスピレノン、エチニルエストラジオールの『 PMS、過多月経、子宮内膜症の予防・改善』は添付文書に記載のない適応外使用を指します。
・ジエノゲストの『月経困難症治療』は添付文書に記載のない適応外使用を指します。
入手経路
・プラノバール、アンジュ、マーベロン、ラベルフィーユ、ファボワール、トリキュラー、ヤーズフレックス配合錠、ドロエチ配合錠、ルナベル配合錠、ジエノゲストは当該医薬品は、国内正規販売代理店(医薬品卸業)から仕入れています。
国内の承認医薬品等の有無
・ノルゲストレル、エチニルエストラジオールが、医療用医薬品の内服薬として生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整治療目的で厚生労働省に承認されています。月経移動を目的として承認されている同成分の内服薬はありません。
・レボノルゲストレル、エチニルエストラジオールが、医療用医薬品の内服薬として経口避妊目的で厚生労働省に承認されています。月経困難症治療を目的として承認されている同成分の内服薬はありません。
・デソゲストレル、エチニルエストラジオールが、医療用医薬品のマーベロン(内服)として経口避妊目的で厚生労働省に承認されています。ニキビ改善、PMS、月経困難症の治療を目的として承認されている同成分の内服薬はありません。
・レボノルゲストレル、エチニルエストラジオールが、医療用医薬品の内服薬として避妊治療目的で厚生労働省に承認されています。PMS、月経困難症治療を目的として承認されている同成分の内服薬はありません。
・当該医薬品は、国内正規販売代理店(医薬品卸業)から仕入れています。ドロスピレノン、エチニルエストラジオールが、医療用医薬品の内服薬として月経困難症治療目的で厚生労働省に承認されています。
・ドロスピレノン、エチニルエストラジオールが、医療用医薬品の内服薬として月経困難症治療目的で厚生労働省に承認されています。PMS、子宮内膜症の予防・改善治療を目的として承認されている同成分の内服薬はありません。
・ジエノゲストが、医療用医薬品の内服薬として月経困難症の改善目的で厚生労働省に承認されています。月経困難症治療を目的として承認されている同成分の内服薬はありません。
諸外国における安全性等に係る情報
・同成分である内服薬のノルゲストレル、エチニルエストラジオールが処方箋医薬品としてアメリカ食品医薬品局(FDA)で経口避妊目的として承認されています。承認年月日:2008/12/24
安全性等に関わる情報としては、副作用として血栓症、吐き気・嘔吐、食欲不振、眠気といった症状が報告されています。
・同成分である内服薬のレボノルゲストレル、エチニルエストラジオールが処方箋医薬品としてアメリカ食品医薬品局(FDA)で経口避妊目的として承認されています。承認年月日:1992/12/18
安全性等に関わる情報としては、副作用として吐き気、嘔吐、乳房圧痛といった副作用症状が記載されています。
・同成分であるデソゲストレル、エチニルエストラジオールは、処方箋医薬品、一般用医薬品としてキビ改善、PMS、月経困難症の治療を目的とし使用はFDAでは承認されていません。そのため、重大なリスクが明らかになってない可能性があります。
・レボノルゲストレル、エチニルエストラジオールは、諸外国でも処方箋医薬品、一般用医薬品として PMS、月経困難症治を目的とした使用は承認されていません。
・PMS、子宮内膜症の予防・改善治療を目的として承認されている同成分の内服薬はありません。ドロスピレノン、エチニルエストラジオールと同成分の製品が、 PMS、過多月経、子宮内膜症の予防・改善治療薬として承認されている内服薬はありません。
・ドロスピレノン、エチニルエストラジオールと同成分の製品が、 PMS、過多月経、子宮内膜症の予防・改善治療薬として承認されている内服薬はありません。
・ジエノゲストは、諸外国でも処方箋医薬品、一般用医薬品として月経困難症治療を目的とした使用は承認されていません。そのため、重大なリスクが明らかになってない可能性があります。
救済制度について
・プラノバール、アンジュ、マーベロン、ファボワール、トリキュラー、ラベルフィーユ、ヤーズフレックス配合錠、ドロエチ配合錠、ジエノゲストは、万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
お問い合わせ先
お問い合わせはmed.カスタマーサポートまで。