抑肝散（よくかんさん／処方薬）【ツムラ】

イライラや神経の高ぶりを鎮め、心と体のバランスを整える漢方薬です。怒りっぽさや興奮しやすさ、不眠などの精神症状に対する効果が認められています。

¥ 2,850 5,700 (税込)

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お薬情報

抑肝散（よくかんさん）は怒りっぽい、興奮しやすい、イライラするなどの精神症状のある方、またそれらの症状に伴い、眠ることができない不眠の方に用いられる漢方薬です。

抑肝散は神経の高ぶりをおさえ、筋肉のこわばりやつっぱりをゆるめて、心と体のバランスを整えます。抗不安効果が認められており、用量は異なりますが、小児の夜泣きに処方されることもあります。

■抑肝散の成分【ツムラ】■
蒼朮（ソウジュツ）、茯苓（ブクリョウ）、川芎（センキュウ）、釣藤鈎（チョウトウコウ）、当帰（トウキ）、柴胡（サイコ）、甘草（カンゾウ）の7種類の生薬で構成されており、神経伝達物質のバランスを整える作用が認められています。

効果効能

虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症：
神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症（かんしょう）

■効果が現れる期間■
個人差がありますが、一般的には服用開始から数週間～1か月程度で効果を感じる方が多いとされています。体質の改善や根本的な症状の緩和を目的とするため、即効性よりも継続的な服用で徐々に効果が現れるケースが一般的です。

用法・用量

■抑肝散の服用量の目安■
1日2～3回、1回1包を水またはお湯で服用してください。
※ただし、年齢、体重、症状により適宜増減されることがあります。
※妊娠中や授乳中の方、他の薬を服用中の方は、必ず事前に医師にご相談ください。

■抑肝散の服用のタイミング■
食前または食間に服用します。
朝・昼・夕のお食事の前など、飲み忘れの無いようご自身の生活リズムに合わせて服用してください。
※食前とは食事の30分前、食間とは食後2時間以上経ってから次の食事の間とされています。

■飲み忘れた場合■
1日2～3回服用の薬を飲み忘れた場合でも、次の服用時間まで6時間程度はあけるようにしてください。2～3回分を一度に服用することは避けてください。

リスク・副作用等及び注意点

■抑肝散の主な副作用■
主な副作用として、発疹、発赤、かゆみ、食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢、眠気、倦怠感などが報告されています。

また、まれに重篤な副作用が現れることがあります。以下の症状が現れた際はすぐに服用を中止し、医師へ相談してください。
・発熱、から咳、息切れ、呼吸困難［間質性肺炎］
・尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる［偽アルドステロン症］
・息切れ、呼吸困難、体重が急に増える、顔や手足がむくむ［心不全］
・体がだるくて手足に力が入らない、手足がひきつる、手足がしびれる［ミオパチー、横紋筋融解症］
・体がだるい、皮膚や白目が黄色くなる［肝機能障害、黄疸］

■服用時の注意点■
抑肝散は以下の方には適さない場合があります。服用前に必ず医師に相談してください。
・胃腸が弱い方、下痢・軟便がある方
・妊婦または妊娠している可能性のある方
・授乳中の方

飲み合わせ・併用禁忌

抑肝散には併用禁忌薬はありませんが、7種類の生薬を含むため、他の漢方薬や医薬品と併用する場合は、成分の重複に注意が必要です。

特に、甘草（カンゾウ）を含む漢方薬（芍薬甘草湯、補中益気湯、六君子湯など）と、グリチルリチン酸を含む薬剤との併用は過敏症や副作用リスクを高める可能性があります。

また、現在治療中の疾患がある場合や他の薬を服用している場合は、必ず医師に相談してください。

よくある質問

Q：抑肝散はうつやPMSにも効果がありますか？
A：抑肝散はうつ病そのものの治療薬ではありませんが、うつ状態やPMS（月経前症候群）に伴うイライラや不安、怒りっぽさ、気分の落ち込みなどの精神症状の緩和を目的として処方されることがあります。ただし、うつ病の診断を受けている場合は、自己判断で服用せず、必ず医師にご相談ください。

Q：抑肝散と半夏厚朴湯の違いは？
A：どちらも神経症や不安感があるときに使われますが、抑肝散は主に神経の高ぶりやイライラ、半夏厚朴湯は喉のつかえ感や動悸を伴う不安感に対して処方されます。症状や体質に合ったものを選ぶためにも、医師へのご相談をおすすめします。

Q：抑肝散は長期服用できますか？
A：長期服用も可能ですが、定期的に副作用や体調変化に注意し、医師の指導のもとで継続してください。